リモートワーク導入・サイボウズ式編集長に学ぶ“成果を出す”チーム作り

リモートワーク導入企業としても知られるサイボウズ株式会社で、オウンドメディア「サイボウズ式」の編集長を務める藤村能光氏。著書『《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方』(扶桑社)では、自由に働きながら成果を生むチームの作り方の秘訣について書かれています。働く時間も場所もバラバラなサイボウズ。自由を尊重しながらいかにしてヒットを生むのか、著書の中から2つのポイントをご紹介します。

1. チーム力を上げる「心理的安全性」とは?

まずチームを円滑に進めるにあたり、藤村氏が重要だと指摘するのが「心理的安全性」。「psychological safety(サイコロジカル・セーフティ)」という心理学用語です。チームのメンバーが誰に対しても自由に発言でき、不安に感じたり不利益を被ったりしない状態のことを指します。Google社のリサーチチームがチームの効果性を高める最も重要な力学として発表したことでも注目を集めました。(Google re:Work『「効果的なチームとは何か」を知る』)

もし、メンバーがチームリーダーや先輩に遠慮して発言や相談をしにくい状態にあった場合。新しいアイデアが出にくかったり、ミスを発見・改善しにくかったりとチーム運営に支障をきたします。各メンバーが個人主義で暴走し、チームとして機能しなくなることもあるでしょう。「心理的安全性」はチームの質を上げるために必要不可欠な要素です。

2. 自由に働き成果を上げるチームを作る、2つのポイント

ここでは、「心理的安全性」を確保するために藤村氏が実践しているポイントから2つをご紹介します。自由で働きやすい環境を作りながら、新しい価値やアイデアを生み成果を出す方法です。

2-1. 誰もが発言できる場所を作る

まず1つ目に、コミュニケーションツールを活用して情報をオープンにすること。サイボウズでは編集部のチーム内はもちろん、編集部以外のメンバーにもチャットや情報共有スペースを公開。編集長自ら積極的に発言することで、誰もが発言しやすい環境づくりを心がけているのだそうです。また、全社員が閲覧・コメントできる場を作ることで、新しい視点やアイディアを生むこともできます。

「チームメンバーが「ありのまま」になるほど、それによって生まれる多様性は武器になります。そしてチームがそれぞれの多様性を認められれば、メンバーから新しい切り口や視点の違う意見・アイデアが出やすくなります。」藤村能光『《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方』(扶桑社)

2-2. 「希望」「宣言」「実態」でそれぞれの働き方を理解する

2つ目に、自分の求める働き方をチームに共有し宣言すること。メンバーの働き方を理解し合うことができれば、例え異なる時間・場所で働いていたとしても工夫や共創が生まれていきます。

「「私はこういう生き方をしたいから、サイボウズというチームに対してはこんな時間、こんな場所でコミットしよう」と自分の希望を考える。それをチームのメンバーに伝えるために言語化し、宣言する。そして宣言した働き方をしっかり実行し、当初の宣言内容とズレが生じてくれば、逐一働き方を見直し、チームにしっかりと共有する。こうした取り組みを続けることで、自由で多様性のある働き方が実現できています。」(同書)

「希望」「宣言」「実態」を守っていくことで、自由でありながら自立したチームを作っていくことができます。

3. 「ふつうの人」でも自由で働きやすいチームは作れる

藤村氏は意外なことに、リーダーシップを発揮するタイプではなかったのだとか。とりたてた武勇伝のない「ふつうの人」だからこそ、メンバーの多様性を受け入れ信頼し合うチームを作ることになったのです。リーダーがトップダウン式に率いるチームではなく、チームやチーム外のメンバーが自由にアイデアを出し合うチームへ。オンラインでのコミュニケーションツールが発達してきた今の時代だからこそ、実現できるチームづくりではないでしょうか。

記事監修:染谷祐吏(yuri someya)
一部上場企業のデジタルマ―ケティング責任者としてデジタルトランスフォーメーション推進や新規事業開発に従事。業務支援コンサル、ベンチャー企業の戦略人事を経て2019年にデジタル人材特化型のエージェントとして株式会社MOCHIを設立。テレワーク×DXの課題解決として「リモフリ」を立ち上げ。