在宅勤務でも給料はカット?!大手テック企業の決断

米国テック企業における在宅勤務での給与カット

米国のソフトウェア会社VMwareはこのたび、同社のシリコンバレーオフィスを離れてリモートワークに移行する社員の給与カットに踏み切る方向を示しました。

同社の従業員は今後も恒久的にリモートで勤務できる一方、例えばコロラド州デンバーに引っ越す場合には18%の給与カットの可能性を示唆しています。


大手企業でも、フェイスブック社は2021年1月から居住場所ごとに給与を調整し、またツイッター社は以前から社員の分散化を進める中で、同様の居住別給与体系を整備しています。

テックワーカーと企業の動向

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、米国サンフランシスコなどの大都市に住むテック企業従業員の多くが同地域での住居に見切りをつけ、人口が密集せず生活費が安くて環境の良い地域へ移住を進めています。

一部のワーカーは自社のオフィスが再開したらベイエリアへ戻ることを考えていますが、今後も永久に在宅勤務する前提で、恒久的に生活拠点を移すことを視野に入れています。

テックワーカーが広いスペースと安い生活費を求めてシリコンバレーを離れていく一方で、雇い主側の企業もこの変化に対応しています。その具体的方策が従業員への給与引き下げです。

状況への対応と肯定的な評価

こうした状況下で、多くのテックワーカーは給与のカットを否定的に捉えていません。

事実、全体の生活コストを下げてワークライフバランスを保つためには必要な代償と考える人もおり、ニューヨーク市とワシントン州シアトルの2800人を対象とした調査によれば、全体の半数近く(44%)の回答者が生活費の安い場所へ引っ越せるのであれば給与カットを容認しています。

VMware社の社員は、むしろ今回の給与カットを喜んで受け入れるだろうと言われています。同社に限らず、テック系労働者の多くが基本給と成果給を受給している状況ではなおさら肯定的だとみられています。

なぜなら、減額されるのは基本給部分であり、基本給の比率は全体の半分程度だという社員も多いことが背景として挙げられます。

事例として「報酬総額が6.5%減っても住宅費が収入の20%程度の場所へ引っ越せるのであれば、税金だけでも5、6%の差を埋め合わせることが可能であり、全体評価としては肯定的」といった意見などがあります。

サンフランシスコの事例

サンフランシスコは住居費が全米で最も高い地域であり、同地域で平均価格の住宅を購入可能な世帯は全体のわずか18%に過ぎない状況です。

サンフランシスコの収入の中央値は11万2376ドルであり、少なくとも17万2153ドルの給料を得られなければ住宅ローンが支払えません。

むしろ、このような住居環境と収入を総合的に勘案すれば、ベイエリアの多くの労働者を中心として大都市からの逃避行が起きる可能性もあるとさえ言われています。

本年6月時点で、同地域の家賃は前年比で9.2%下がっており、多くのテック系オフィスの閉鎖が続けば今後もベイエリアからの脱出が続く懸念があります。

参照:BUSINESS INSIDER