大手のジョブ型雇用が拡大、 人事制度も国際化

大手電機メーカーがジョブ型人事制度を拡大

新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革の変革に伴い、ニューノーマルなワークスタイルへの取り組みが注目されています。

こうした状況下、国内の大手大手電機・精密機器メーカー各社が、欧米で主流となっている「ジョブ型」(*)の人事制度を採用する動きを加速させています。

(*)社員の仕事内容(ジョブ)の内容を明確にした上で、それぞれの能力重視で人材を起用する仕組み

グローバル化への対応が背景

主要各社のこうした動きの背景としては、各社の事業活動がグローバル化する状況を受けて、国内外の制度を統一する必要に迫られていることが挙げられます。

今後、国内での労働人口が減少することが明らかな状況を睨み、年齢や性別、また国籍などに関係なく、優秀な人材の確保と登用・任用を目指す動きといえます。

主要各社の動向

主な大手企業の動きを解説します。

日立製作所

日立製作所では、既に公表しているとおり、2021年4月から在宅勤務を同社における働き方のデファクトに制定する一方、管理職を中心に先行導入してきたジョブ型人事制度を今後一般社員にも拡大させる方向です。

同社では以前からジョブ型への移行を進めてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてテレワークが拡大し、社員一人ひとりの勤務状況を把握するのが難しくなったことで、この動きを加速させました。

ジョブ型人事で各社員の職務や役割を明確化する方向です。

富士通

富士通でも同様に、幹部社員に対して先行導入したジョブ型人事を一般社員へ適用拡大する方向を示しています。

社員個々の専門性や能力を発揮しやすいジョブ型人事による運営が拡大することで、社内における各ポストへの公募による人材登用も促進されます。

同社トップも、この制度によって人材の流動性が高まることを期待している旨コメントしています。

オリンパス

オリンパスでは、管理職に対してジョブ型人事をを導入した後、各ポジションへの登用年齢が若返り、また外国人の起用も進みました。

同社の担当役員は、この制度によって実力ベースの人材活用が進んだと評価しています。

新入社員へも拡大

こうしたジョブ型人事の適用対象は、新入社員にまで広がる動きをみせています。

上述した日立製作所やNECでは、ビジネスの主軸分野であるITデジタル分野を中心に、高度な専門知識を持つ優秀な人材を獲得するため、今年度新卒採用の一部でジョブ型を導入しています。

ジョブ型への期待と課題

日本の大手企業は従来、新卒を大量・一括採用して社内で育てる「メンバーシップ型」を中心として人事制度を運営してきました。

これに対して、社員個々が自らスキルを身に付け、即戦力としての働きが期待されるジョブ型の導入拡大により、当初はなかなか馴染めない社員が出ることも予想され、運用上の混乱も想定されます。

ジョブ型の円滑な導入には、従来メンバーシップ型とジョブ型をバランス良く組み合わせて運用する工夫や配慮が求められます。

参照:時事通信社