「そろそろ資産運用をしたいけど、投資信託のやり方がわからない」
「どんな銘柄を選んだらよいか分からない」
投資信託を活用した資産運用を始めるとき「銘柄の選び方」はとても重要です。
サービスやネットで投資信託の選び方を調べてみたはいいものの、結局よく分からなかったという人もいるでしょう。
そこで本記事では、元証券マンによる失敗しない投資信託について解説していきます。
結論、「迷ったらバランス型の投資信託を少額投資」が正解です。
その理由について解説していきましょう。
投資信託で資産運用する3つのメリット
投資信託には株式やFXにはないメリットがあります。
特に資産運用し始めの人には、投資信託は大きな味方になります。
まずは投資信託で資産運用するメリットを3つ見ていきましょう。
プロに運用を任せられる
投資信託はファンドマネジャー、つまり投資のプロが私たちの代わりに運用してくれる商品です。
ファンドマネジャーは相場の値動きと向き合い、より良いパフォーマンスが出るように、銘柄の入れかえや構成比率の調整などの仕事をしています。
「餅は餅屋」という言葉があるとおり、プロに運用を任せるメリットは大きいと考えるべきでしょう。
投資に時間を取られない
専業投資家でもない限り、私たちは相場をチェックしたり、良い銘柄を見つけたりするなどの「投資に取れる時間」は限られています。
もし、自分で銘柄を選び資産運用するとなると、勉強したり、相場をチェックしたりと、相当な時間を取られることでしょう。
その点、投資信託であれば、購入金額とタイミングさえ決めれば、後は運用のプロが勝手に運用してくれます。
投資に時間を取られない分、他の趣味に時間を使ったり、自己投資に時間を使うことができるのが最大のメリットです。
手軽に分散投資ができる
投資信託は、複数の銘柄で構成されている1つの商品です。
そのため、1つの投資信託さえ購入すれば、分散投資をすることができます。
分散投資とは、さまざまな銘柄に投資をすることで、リスクを抑えつつ、高いパフォーマンスを目指せる投資手法のこと。
具体的に「何銘柄以上投資をすれば分散投資である」という線引きはありませんが、投資先は多ければ多いほど、分散投資のメリットを受けることができます。
ただ、一般的な資産運用でイメージされる「個別株」で分散投資をするのは、資金面から簡単ではありません。
仮に1銘柄30万円、10銘柄に分散投資しようと思ったら、300万円を用意しなければなりませんよね。
その点、投資信託は少額なケースでは100円からでも始められるため、手軽に分散投資ができるのです。
ポイントは3つ!投資信託の選び方
それでは投資信託の選び方を解説していきます。
ポイントは以下3つです。
- 投資目的に沿った運用をする投資信託を絞り込む
- コストの安い投資信託する
- 迷ったら少額からバランス型が良い
順に見ていきましょう。
【ポイント①】どれくらいのリターン・リスクを許容するかで、投資信託を絞り込む
投資信託の運用におけるリスクとリターンは表裏一体の関係にあります。
- リスクが高い→高いリターンを期待できるが、大きな損失を被る可能性も高い
- リスクが低い→リターンは低いが、損失を被るとしても小さい
具体的にどれくらいのリターンを目指すのか、損失を被るとしてもどれくらいまで許容できるのかを頭の中で考え、そのリスク・リターンに沿って投資信託を選ぶと良いでしょう。
あくまで参考程度ですが、投資している資産別(投資分類)に、投資信託のリスク・リターンを表でまとめました。
表のリスクは大きければ大きいほど値上がり・値下がりする可能性が高いことを意味します。
投資している資産(投資信託名) | リターン(年率・5年)% | リスク(年率・5年)% |
国内株式(企業価値成長小型株ファンド) | +29.08 | 22.59 |
先進国株式(野村世界業種別『世界半導体株投資』) | +30.29 | 21.18% |
新興国株式(UBS中国A株ファンド『年1回決算』) | +25.35 | 20.26 |
グローバル株式(野村SNS関連株投資Bコース) | +25.80 | 23.90 |
国内債券(明治安田日本債券オープン『毎月決算月』) | +0.78 | 2.12 |
先進国債券(日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン毎ランド) | +13.35 | 21.73 |
グローバル債券(グローバル・ハイ・イールド『アジア通貨』毎月) | +8.29 | 13.76 |
国内REIT(J-REIT投信『通貨選択』Mペソ『年2』) | +9.24 | 25.13 |
海外REIT(グローバルREIT投信『南ア・ランド』毎月) | +13.27 | 26.96 |
※上記表に記載しているのは日経新聞 投信ランキング(リターン上位ランキング)にて、期間5年で検索した際に、最もパフォーマンスが良かった投資信託のリスク・リターン(5月末時点)。
大まかなリスクとリターンは想像できたでしょうか?
上記表を参考にすると、もしリスクをあまり取りたくない場合は国内債券に投資をしている投資信託を選ぶと良さそうです。
またリスクをとって高いリターンを狙うのであれば、先進国株式や国内株式へ投資をしている投資信託が選択肢になるでしょう。
【ポイント②】コストの安い投資信託する
なるべくコストの安い投資信託を選びましょう。
投資信託の代表的なコストは購入時の手数料と信託報酬(投資信託を運用・管理してもらうための経費)の2つです。
以下、手数料と信託報酬の目安です。
- インデックスファンド:手数料無料+信託報酬は1%以下がおすすめ
- アクティブファンド:手数料2%以下+手数料信託報酬は1.5%以下がおすすめ
あくまで目安程度にして頂ければと思います。
インデックスファンドとは日経平均株価やNYダウなど特定の株価指数との連動を目指す投資信託のこと。
一方、アクティブファンドは、運用会社やファンドマネジャーが独自の銘柄を選定して、つくる投資信託です。
アクティブファンドの方が、情報収集や銘柄の入れ替えなどにコストがかかるため、インデックスファンドよりもコストが高くなります。
【ポイント③】迷ったら少額でバランス型が良い
ここまでの説明の中で「やっぱりどう選んだら良いのか分からない」という方は、個人的にはバランス型の投資信託をおすすめします。
バランス型の投資信託とは、国内株式のみや債券のみなど、特定の資産に偏るのではなく、国内株式と海外株式、国内株式と国内債券など複数の資産で運用するタイプの投資信託です。
文字通り、バランスの取れた運用をしながら、リターンを追求している投資信託が多く、初心者が投資信託デビューをするのに適しています。
以下、日経新聞 投信ランキング(リターン上位ランキング)において、バランス型の投資信託で過去5年間パフォーマンスの良かった上位5つです。
これらは実績もあるバランス型の投資信託です。
例えば、少額でこれらのバランス型の投資信託全てに投資をして、まずは投資信託の理解を深めることから始めても良い、と思います。
まとめ
今回は投資信託の選び方を中心に解説してきました。
投資信託はプロに運用を任せられ、かつ手軽に分散投資ができるため、初心者にはメリットの高い商品です。
この記事の投資信託の選び方を参考に、投資信託デビューをしてみてはいかがでしょうか。