企業の過半数が興味を持つワーケーション導入

テレワークの課題は「働く場所」

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの企業がテレワーク・リモートワークや在宅勤務を推進しており、この潮流は政府の緊急事態宣言期間後も定着しています。今後のウィズコロナ・アフターコロナの社会でもテレワークが主流になるとみられています。

その一方、在宅勤務を中心とするテレワークには、従事者本人の健康面や、家庭内で就業する上での様々な弊害などの課題も山積しています。

とりわけ、東京を中心とする首都圏では居住スペースに書斎のような空間が確保されていないケースが多く、従事者本人にも家族にも大きな負担がかかる懸念が指摘されています。

ワーケーション導入には過半数が興味あり

テレワークの応用編・進化系であるワーケーション(*)が提唱されています。
(*)ワーク(労働)とバケーション(休暇)を組合せた造語。テレワーク・リモートワークを活用して、働きながら休暇をとる過ごし方

観光地やリゾート地で休暇とバランスを取りながら仕事をするワーケーションは、当然ながら企業の福利厚生との関連性が高いため、企業の経営者にワーケーション制度を自社で導入する是非について尋ねた調査があります。

その結果、非常に興味がある(20.4%)、少し興味がある(30.0%)となり、興味を持っている企業が50.4%と回答者全体の過半数を占めています。

企業側としても、社員に対する魅力的な人事制度の提案やテレワークを発展的に継続できる可能性を模索する要望が、ワーケーションへの興味・関心に繋がっているようです。

ワーケーションには、単なる福利厚生やテレワーク継続だけではなく「地方創生」という観点があります。これについては、政府主導による観光業支援策「GoToトラベルキャンペーン」の延長線上にあるワーケーションを地方創生と連動した社会貢献と考える経営者が少なくない状況がうかがえます。

ワーケーションへの懸念と課題

一方、実際に自社でワーケーションを導入する場合の課題については、大多数の企業が次のような課題を挙げています。

  • 休暇中の仕事の適切な評価が難しい(71.4%)
  • 休暇中の業務の勤怠管理が難しい(70.5%)
  • 仕事環境の整備が難しい(70.5%)

この背景としては、ワーケーションはテレワークと異なり、時間が固定されないフレックス制のため、テレワーク以上に人事評価が難しいこと指摘されています。

意義あるワーケーションを実施するため、社員それぞれの目標設定と仕事の細分化を明確化し、生産性を維持しながら従業員が滞在先で業務可能な仕組み作りを推進し、ワーケーションを働き方改革のゴールとなるよう取り組むことがポイントとなります。

参照:株式会社あしたのチーム実施の「ワーケーションと働き方改革」調査