「サブスク」で花や絵画も 在宅彩る定額サービス

新たな「巣ごもり」需要

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの人々が旅行や飲食、遊興などの外出を控えており、消費活動は大幅に落ち込んでいます。

こうした自宅や近隣中心の生活が続く中、様々な「巣ごもり需要」が高まってきています。

様々なサブスクビジネス

人々の巣ごもり生活で注目を集めているのが、毎月定額の料金を支払って商品やサービスを利用する「サブスクリプション(サブスク)」ビジネスです。

提供ジャンルは、車や家具、衣料品など多岐にわたりますが、今回のコロナ禍で生活に彩りを添える新たな分野に人気が集まっています。

【日比谷花壇】毎日届く美しい花

「毎日美しい花が手に入る」というキャッチフレーズを展開しているのが日比谷花壇です。

同社のサブスク「ハナノヒ」では、月1187円~1万5878円の定額料金で全国約110店舗の店頭で生花を受け取れます。

在宅時間が増えたので自宅で心地よく過ごしたいといった利用者の声に支持され、会員数はこの9月時点で2月の2.5倍以上に増加しており、20~40代の女性が大半を占めています。

【カシェ】自宅に届く絵画

花と同様に生活に彩りを添えるものとして人気を集めているのが絵画のサブスクです。

絵画レンタルの「カシエ」(京都市)は、同社が保有する1万点弱の絵画コレクションの中から、利用者が気に入った作品を自宅に届けるサービスを行っています。


注文した絵画は1カ月ごとに交換可能で、値段もA4サイズは月額1980円と手ごろです。
8月の利用者数は1月の4倍にまで増加しており、SNSでの投稿・共有も広がっています。

他にもお菓子や住宅、マスクもサブスク

その他にも、
・好みの味を伝えるとおすすめのお菓子が自宅に届くサービス
・全国各地にある住宅に定額で住めて何度でも移動可能なワーケーション型サービス
・使い捨て型のマスクが定期的に自宅に届くサービス

など、サブスク型サービスは拡大しています。

サブスクビジネスが隆盛

こうしたサブスクビジネス拡大の背景には「必要なときに使えれば物を所有することにこだわらない」という、若い世代を中心とした価値観の広がりが挙げられます。

既に定着しているアップルミュージックやネットフリックスといった、音楽や動画の聴き放題、見放題サービスはこのビジネスの先駆けといえます。

今後もこうしたサービスは拡大が見込まれています。

  • マイカー所有者は平成26年には5人に1人から令和2年は7人に1人まで減少(ソニー損保調査)
  • サブスクビジネスの市場規模は昨年6835億円から令和6年度には1.7倍の1兆2117億円まで拡大(矢野経済研究所調査)

参照:ITmedia