月4万円の「サブスク型宿泊」若者に人気

「多拠点生活」が若者に人気

新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが普及し、また観光地などで休暇を楽しみながら働くワーケーションも注目されています。

そして最近では、自宅以外にも生活や仕事の場を持ち、複数の拠点を行き来しながら生活する「多拠点生活」が、若者を中心に広がりをみせています。

ワーケーションのさらに先を行く自由な生活スタイルで、鉄道や航空会社、また各地方自治体では旅費や家賃を支援する動きも出ているようです。

毎月定額で暮らせるサブスク型住居

毎月定額のサブスクプリションモデルで住めるサービスを提供する企業が増加しており、テレワーク支援の一環としても注目されています。

これについて主なサービスを紹介していきます。

HafH

サブスク型住居の大手であるHafHは、毎月1万6千~8万2千円を支払えば国内外247都市・400カ所のホテルや旅館に5日~1カ月泊まれるというサービスです。

長崎市を本拠とするベンチャー・カブクスタイル社が昨年に開始したものですが、完全リモートワークの利用者が多数を占めており、今年7~10月の新規会員数は4カ月連続で過去最高を更新しています。

ADDress

東京に本拠を置くADDress(アドレス)社は、全国約90カ所の住居を月4万円で使えるサービスを提供しています。

今年6~8月の新規会員数は、コロナ禍以前の4~5倍にまで増大しており、主な利用者は20~30代の会社員とのことです。

NOTE

関西を中心に古民家を改修した宿泊施設を手がけるNOTE(ノオト)は、兵庫県丹波篠山市を本拠とする一般社団法人です。

こちらでも多拠点生活者向けの施設を開設準備中で、年内には同市内に仕事場とゲストハウスをセットにしたサービスを開始し、来春以降は地方に自炊用キッチンやコインランドリーを備えた施設をオープン予定です。

これまで全国20地域87棟の宿泊施設を改修してきましたが、コロナ禍で利用が拡大し、今年8~9月の1施設あたりの売上高は前年比5割増になっています。

ネックの交通費を支援する動きも

新たなライフスタイルとして注目される多拠点生活ですが、デメリットとして拠点を行き来する際にかさばる交通費が指摘されています。このデメリットを緩和させ、ビジネス拡大を図る支援の動きもあります。

JR西日本は、今回取り上げたカブクスタイルとアドレスの両社と提携し、会員向けに新幹線や特急料金を割引くトライアルに取り組んでいます。例えば大阪と岡山の施設を行き来する場合、新幹線指定席を月1万2千円で片道4回まで乗車でき、通常料金の54%引きとなります。

全日本空輸(ANA)でも、地方路線の乗客を掘り起こす目的で協力を始め、両社の会員には月3万~4万円の負担で国内約20~40路線を月4回まで乗れるサービス支援を行っています。

参照 HafH ADDress NOTE