コロナ禍で20代の転職意識が大きく変化
新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活様式や働き方は大きく変容しています。
こうした状況下で、まだ若い20才代が、転職を希望する業界にどのような変化があったのかについて、新型コロナウイルス感染拡大前(2019年12月〜2020年2月)と感染拡大以降(2020年8月〜10月)の分析結果が公表されました。
結果によると、新型コロナウイルスの感染拡大によって、20代が希望する人気業界には大変動が起きていることが明らかになりました。
希望するのは成長業界
この調査を実施した株式会社学情の分析結果によれば、20代の若い世代の中で需要が伸びているのは、IT・ソフトウェア業界、ゲーム関連、またテレワーク関連といった、いわゆる「新常態」といわれる業種に人気が集中しています。
彼ら若者の多くは、こうした成長が著しい業界で自分のスキルを磨き、更なる活躍の場を得たいと考えていることが推察されます。
転職に人気な業界と理由
今回の調査で、20代の若者が転職を希望する業界やポイントは次のとおりとなっています。
人気トップ3はIT・ソフトウェア業界
人気トップ3には、コロナ禍による「巣ごもり消費」を支えたアマゾンと楽天がランクインしトップ3はIT・ソフトウェア業界が独占しました。
1位のアマゾンジャパンはコロナ前の3位から浮上、3位の楽天も9位から3位に順位を大きく上げました。2位はグーグルです。
ゲーム業界も躍進
人気第4位となった任天堂や、21位のバンダイナムコエンターテインメント、また24位のスクウェア・エニックスなど、家庭用ゲーム機やスマートフォンゲームを提供する企業が軒並み順位を押し上げる結果となりました。
テレワーク関連銘柄も人気
人気第5位の日本マイクロソフト(MS)はコロナ前の37位から浮上し、20位のサイボウズは100位圏外から順位を大きく上昇させています。
テレワークでクラウドサービスの需要が大きく伸びる中、MSのテレワーク向けコラボレーションツール「Teams」の利用が急拡大し、またサイボウズの「がんばるな、ニッポン」のCMが注目を集めたことなどが大きな要因です。
生活消費財や食品関係も
9位の花王(コロナ前18位)や10位の資生堂(同12位)などの、生活消費財関連のメーカーも順位を上げています。コロナ禍で衛生環境への意識が高まったことが影響していると想定されます。
また、11位の味の素(同21位)、13位の日清食品(同46位)などの食品メーカーも人気を集めました。緊急事態宣言下などで自宅で食事をする機会が増え、消費が伸びたことが要因になっています。
地方自治体も安定志向で人気
地方自治体の人気も、安定志向と社会貢献の重要度から人気が上昇しています。
29位の東京都(コロナ前68位)、75位の福岡県(同100位圏外)、82位の神奈川県(同100位圏外)、87位の大阪府(同94位)など地方自治体も人気を集めました。
景気の先行きが不透明な状況下、若者の安定志向が強くなっていると推察されます。
参照:学情