入社後に社風が想像と違って戸惑い
新型コロナウイルスの感染拡大がますます深刻な状況となりつつある中、就活生が業界研究をする際に最も気になるのが、実際に企業で働いている社員の本音です。
特にこの状況下では、志望度を左右する大きな要素はコロナ禍における企業の対応です。
長い就職活動を経て入社した会社で、社風などにギャップを感じる新入社員は少なくありません。ある調査によれば、新卒の約8割が入社後に何らかのギャップを感じているという分析結果もあります。
コロナ禍で評価を上げた企業は?
入社後のギャップを少なくするために役立つのが、現役社員・元社員による「クチコミ」です。
雑誌「息子・娘を入れたい会社2020」はこのたび、新型コロナウイルスの感染拡大の中で評価を上げた企業や総合評価の高い企業、またホワイト度の高い企業や官公庁など、独自の視点でランキングを作成しました。
今回はその中から「コロナ時代に社員の評価を上げた企業ランキング」を取り上げ、解説していきます。
上位30社は
このランキングで集計された上位30社は下表のとおりです。
1位は野村不動産で、総合評価点は3.8点となっており、新型コロナ以前からの上昇幅は0.585と、2位以下を大きく引き離す結果となりました。
続いて2位はEYアドバイザーリー・アンド・コンサルティング、3位はアルビオンとなっています。
トップとなった野村不動産の社員クチコミの一部を抜粋します。
- コロナ問題によって原則仕事が出来なくても、派遣社員を含めて終日働いたことにしてもらえている(男性部長)
- 有休取得がしやすい雰囲気で、フレックス制度やテレワーク制度も整備されており、柔軟な働き方がしやすい風土になっている(営業男性)
評価を上げた企業の二大特徴は 「準備運動」と「反射神経」
新型コロナウイルスへの対応では、売上偏重ではなく、従業員の命や健康を重視していたかどうかという「経営者の覚悟」が社員からの評価に影響しました。
その上で、コロナ時代に評価を上げている企業のキーワードとして挙げられるのが「準備運動」と「反射神経」です。
準備運動とは、コロナ前から従業員の声に耳を傾け、働き方改革にきちんと取り組んでいたかどうかの姿勢です。対応できた企業は、コロナ禍でもあわてて組織を変化させる必要がなく、テレワークや在宅勤務へとスムーズに移行出来ています。
もう一つの反射神経は、コロナの影響を受けて感染防止対策を迅速に行ったり、また新たにテレワークを導入したりするなど、迅速に対応した行動です。こうした企業も、社員からの評価につながっていたことがクチコミからもうかがえます。
参照:ダイヤモンド・セレクト