在宅手当の一部を非課税化 通信・電気代対象

テレワーク手当の一部を非課税に

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、緊急事態宣言を発令する自治体も増えています。

政府も企業の7割にテレワークを要請するなど、対策を強化しています。

こうした状況下、政府は在宅勤務の社員らが勤務先から受け取る「テレワーク手当」の一部を非課税とする方針を発表しました。

税負担を軽減

一般的に、テレワーク手当は、従事者が自宅で仕事のために利用した電話やインターネット利用料、電気代などの費用を埋め合わせるために支払われるものです。

ところが、テレワーク手当を「一律支給」する場合、同手当の全額に所得税がかかっていました。

今回の制度では、テレワーク従事者が仕事で使用した自宅の通信費や電気代などを、テレワーク手当の総額から差し引き、その「差分」に対してのみ課税することで、税負担を軽減するものです。

新型コロナウイルス対策としてのテレワークを支援する施策の一環です。

テレワークでは業務の区分が困難

テレワークや在宅勤務を行う社員に対して、通信費の手当を支給する企業が増えていますが、こうした在宅でのインターネット利用を中心した業務では、利用における公私の区別が難しい状況です。

社員が自分で支払った通信費を、どこまで業務上の利用と判断して、所得税の課税対象から外すべきか不明瞭という指摘が出ていました。

差分の計算方法とは?

今回国税庁が発表した見解によれば、自宅の通信費のうち、在宅勤務した日数分の「半額」を業務使用とみなして、課税対象から外すこととしました。

計算の事例

例えば、1カ月に1万円の通信費がかかり、そのうちの半分が在宅勤務だった場合には、1万円の4分の1に当たる2500円が非課税となります。

手当が3000円の場合、2500円を差し引いて、課税対象額は残りの500円という計算になります。

計算方法イメージは下図のとおりです。

電気代も対象に

また、電気代も今回の対象となり、自宅の床面積などに応じて差し引かれます。
ただし、支払額を証明するために、電気代の領収書などを会社に提出する必要があります。

まとめ

新型コロナウイルスの感染が猛威を振るい、東京都では連日4桁の新規感染者が継続しており、冬場の季節真っ只中で一向に収束の気配はみられません。

こうした中、やむを得ず出社せざるを得ない業種や業界などを除けば、テレワークがデファクトの業務スタイルとなりつつあります。

今回の政府の支援は、金額的に大きなインパクトのあるものではありませんが、少しでも支援の姿勢を示す意味として注目されます。

参照:時事通信社