パソナ、社内外の“副業”を可能に。淡路島で農業も

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークや在宅勤務の普及、また政府主導による働き方改革や、企業における副業推奨など、社会・生活環境は大幅に変化しています。

こうした状況下、人材大手のパソナグループは来年年4月入社の新卒採用で、社内外での副業を後押しする制度をリリースしました。

「ハイブリッド」キャリア採用

同社では、新入社員それぞれが配属された部署での業務をこなしながら、社内の別の部署でも働く(=ハイブリッド)ことを可能とします。

例えば、インサイドセールスの仕事をしながら、同社が淡路島で意欲的に展開する農場「パソナチャレンジファーム」の業務に携わることも可能となります。

その他の組み合わせ事例として、人事部門の社員が新規事業を、国内人材サービス部門の社員がグローバル人材サービスを、また、営業部門の社員が教育研修を、それぞれハイブリッドに担当することを想定しています。

なお、通常の副業をする場合には、パソナグループで一定以上の時間就労することが条件となっています。

地域やフレックス対応も

同社ではまた、社員が地域をまたいで働く場合には、期間を限定してそれぞれの活動拠点を移したり、オンラインで業務に参加したりといった方法で対応することを支援しています。

また、職種や働き方に応じて、勤務時間を柔軟に調整できるフレックス制度も適用します。

人間力のある人材を育成

同社がこうした目新しい制度を打ち出したのは、従来型の日本企業が志向してきた単一的なスキル習得を問題視したことによります。

将来の予測が難しい現代時代における、社会の流れや変化に対応するため、あらゆる職場環境に適応可能な、複合的キャリアを構築することを目指したことが背景として挙げられます。

副業や地方移住の施策も

同社グループでは、コロナ禍や働き方改革といった最近のトレンドが発生する以前から、社員に対していち早く副業を認めて、推奨してきました。このため、1人の社員が複数部署の業務に従事することも現実的にありました。

今回同社が新卒向けの新制度を打ち出した主な狙いは、会社としてさまざまなキャリア構築を後押しする姿勢を鮮明にすることにあります。

同社ではまた、副業のみならず、テレワークの定着によるワーケーションや地方移住を視野に、東京本社機能の一部を淡路島に移転する計画を打ち出すなど、働き方改革を続々と表明しています。

まとめ

コロナ禍や働き方改革などをトリガーに、多くの企業が副業を容認し、また時間や場所にとらわれない働き方を模索しています。

今回のパソナの取り組みも、そうした企業の代表的な事例として注目されます。

参照:パソナ