新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの増加や、副業解禁による労働力の流動化により、多くの企業では人材不足を補うため、副業人材の活用を推進しています。
また、人口減少に伴い、将来的な人材のシェアという考え方が主流とりつつあり、転職市場でも現在フリーの人材を企業が奪い合う状況となっています。
民間だけでなく行政でも
今年に入ってからも、副業人材の募集を開始する企業は増え続けています。
代表的な民間企業としては、カルビーやキリンビールが副業人材の募集を発表しましたが、両社とも新規事業の展開にあたって、専門的知見を持つ人材を外部から招ことを目的としています。
副業人材の活用は民間だけでなく、行政も積極的で、これまで兵庫県神戸市、岡山県岡山市、奈良県生駒市が相次いで副業人材を公募しています。いずれも実際に登庁せず、テレワークでの副業を取り入れている点も特徴的です。
副業人材活用の背景と効果
副業人材の活用が増えている大きな要因としては、高度な専門的知見を持つ外部の人材を簡単な手続きで雇用できる点にあります。
最近では副業者と企業を繋ぐマッチングサービスが増加し、両者の橋渡し役となっています。
副業スカウトサービスの展開
そのひとつが、AI/データ分析関連業務に特化した転職スカウトサービス『SIGNATE Delta』です。
テレワークや副業の解禁といった大きな社会変化をきっかけとして、データサイエンス分野の副業求人を実装することにより、多くの企業が高度先端技術者へのアクセスできるサービスとなっています。
外部人材の活用はアウトソーシングとも呼ばれ、自社に不足している人材を外部から補強する手法です。専門的人材が足りない場合でも、副業人材がそれを解決してくれるメリットがあります。
今後の課題も
その一方、長期的視点に立つと今後の課題も浮き彫りになっています。
副業人材は短期的な問題解決には役立ちますが、将来的な苦手分野の克服を先送りしている面もあります。
そのため、副業人材を活用した後に、得られた専門的知識やノウハウをどう内部化していくかが重要な課題となります。
まとめ
副業人材の活用は、特に人材不足に直面する地方にとって心強い存在でです。
その一方、副業人材への依存度が高まる危険性も高いので、地方創生に繋げるためにも副業人材をどう地元の人材育成に還元していくかが今後の大きな課題です。
副業人材の活用は人材不足に悩む日本の社会・経済にとって大きな助けになる一方、正しい活用方法でなければ、その恩恵を十分に受けられない可能性もあります。
今後は副業人材の活用法がポイントになります。
参照:財形新聞