大きな話題となった「老後2000万円問題」(老後を過ごす資金として2000万円が必要)、更には3000万円まで用意すべきという議論までありますが、こうした高額な老後資産を、日本人が好む貯蓄だけで賄うのは大変です。
そこで注目される手段のひとつが不動産投資ですが、副業が禁止されている公務員でも実践できるのでしょうか。
公務員の不動産投資は副業?
老後に備え、資産形成のために公務員でも投資を考るのは当然です。その際、比較的安全でローリスク・ミドルリターンといわれる不動産投資を検討するのが堅実な方法です。
一方、公務員の多くが、不動産投資が副業規定に抵触することを気にかける現実があります。
公務員は原則副業禁止
働き方改革やニューノーマルの社会を見据え、政府や企業も副業を推進している環境下ですが、依然として公務員には基本的に副業が認められていません。
公務員としての中立性や公共的な信用度、また個人情報を取り扱う立場であることなど、様々な制約が課せられていることによります。
不動産投資への副業ガイドライン
公務員が不動産投資を行う際に、副業とみなされる規定が人事院規則で定められています。
主な規定は次のとおりです。
- 独立家屋を賃貸する場合:家屋数が5棟以上
- 独立家屋以外を賃貸する場合:10室以上
- 賃貸料収入:年額500万円以上
この規定を逆読みすれば、4棟以下・10室以下・500万円未満であれば副業ではないことになります。
また、この規模を超える場合でも、当該不動産が公務員としての取引先と関係がなく、管理会社に管理を委託し、公務員の信頼性を損なわずに行う場合は承認されます。
不動産投資にあたっての資金調達
公務員として副業ではない不動産投資の条件をクリアし、いざ投資資金を調達する運びとなった場合ですが、通常は金融機関からの融資を考えることになります。
その際、公務員の金融機関からの評価は「最高ランク」なので、ローンを組む金融機関は選び放題となります。
金融機関も様々あり、都市銀行、地方銀行、信用金庫・組合、ノンバンク、政府系金融機関など多種多様で、特徴もそれぞれ異なっています。
資金調達の課題
公務員が期待する資金調達ですが、様々な課題もあります。
都市銀行は、融資に関しては大手企業や資産家をメインターゲットとしているため、個人の不動産投資ローンには積極的ではありません。
地方銀行は不動産投資への融資に前向きで、金利も低い一方、多額の頭金が必要となる場合が多いです。
政府系金融機関も不動産投資に積極的ですが、融資額の上限が低く、また融資期間が短い傾向があります
まとめ
公務員が、老後の資金調達のため、そして副業規定にも抵触せずに不動産投資を行う条件や課題は様々あります。
公務員が不動産投資を成功させるためには、不動産投資の目的を明確にし、様々な金融機関の情報や条件などを常に把握し、優れた不動産投資会社をパートナーとすることが求められます。
参照:幻冬舎ゴールドオンライン