コロナ禍でサラリーマンに必要な「学び直し」

コロナ禍を契機として、自分が現在勤めている会社に今後も残るべきかどうか、不安に感じる人も増えています。

航空・観光業界や、飲食店チェーンなどで多くの希望退職や出向、また副業が奨励されている状況で、自分の将来に漠然とした不安を抱いても不思議ではありません。

エンプロイアビリティーが要求される時代

長寿社会を迎え、「人生100年時代」と呼ばれる中、企業の定年も70歳まで延期が義務付けられる方向です。

一方、会社の寿命は30年といわれているため、現役時代に2社以上に勤務するのが当たり前の時代を迎えています。

こうした状況下、サラリーマンには「エンプロイアビリティー」(=雇用され得る能力)が要求される時代となりました。

リカレント教育の必要性

AIやロボット技術の浸透などに伴ない、人々の雇用環境も大きく変化しています。今や絶滅職種となった電車の車掌の例を挙げるまでもなく、今ある仕事のいくつかは将来的に存在しない時代となります。

このため、卒業して就職した後、ひとつの企業で定年まで勤める雇用環境は崩壊し、転職が当たり前の状況下では、「リカレント教育」(=学び直し)が必要となります。

従来、多くの日本企業では新卒社員を企業内教育で育成してきましたが、企業教育だけでは限界に近づいています。一方、デジタル化の進展により、気軽に大学の授業を受けられる時代となりました。

「MOOC(ムーク)」講座の拡大

大規模公開オンライン講座「MOOC(ムーク)」は、米国スタンフォード大学の「コーセラ(Coursera):利用者2,500万人」と、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学による「エデックス(edX):同2,000万人」があります。

日本ではまだ知名度が低く、また英語の壁などから、敷居が高い状況です。

日本版ムーク「gacco(ガッコ)」

世界でMOOC(ムーク)が拡がる一方、日本でこうした取り組みが進まない状況を受けて、2014年に日本でも同様のオンライン講座「gacco(ガッコ)」をスタートさせました。

会員登録や講座受講は無料で、会員数は約64万人となっています。受講したい講座を選ぶと、4週にわたって講義が実施され、1週あたり5~10本程度の動画で講義を受け、副教材をダウンロードする仕組みです。

全体で60点以上を獲得すると、終了証が授与されます。

gaccoの講座内容

現在、多くの大学や専門学校、また企業などがgaccoに講座を提供していますが、情報系の科目が多い状況です。

主な講座としては次のようなタイトルがあります。

  • はじめてのAI
  • 社会人のためのデータサイエンス入門
  • クラウド基盤構築演習
  • ビッグデータマネジメント・アナリティクス

また、それ以外にも多彩でユニークな講義もあります。

  • 歌舞伎の経済学
  • アンコールワット研究
  • 学べばわかる北前船 など

まとめ

今や、一つの会社で勤め上げることが困難な状況になりつつあり、自分のスキルアップやブラッシュアップを図るためには、リカレント教育が必須となっていくでしょう。

今回取り上げたgaccoをはじめ、様々な学びの機会を模索する姿勢が求められます。

参照:AllAbout20th