Withコロナ時代に成長する産業、短期は感染対策、中長期はオンラインシフト

世界80ヵ国、約2億件に及ぶ新事業、新製品/サービス、新技術/研究、特許情報、投資情報などのデータベースをもとに、新型コロナウィルスに関して今後の展望について分析し、“With/Afterコロナ”がもたらす変化を見通すために押さえるべき成長分野、社会課題を抽出・整理したとアスタミューゼ株式会社が発表しました。

参考:アスタミューゼ株式会社プレスリリース

この記事では発表された内容をもとに、短期、中長期という期間を軸に、社会・企業・個人の課題抽出し、独自に編集しています。

2030年までにどんな変化が起きるか

これから2030年までにどんな変化が起こるのか、短期的・中期的・長期的と時間軸を分けて全体像を整理します。

それでは時間軸別に、Withコロナ時代における変化を解説していきます。

短期的な変化(~6ヶ月)

短期的に起こり得る変化について

社会の変化

社会の変化は新型コロナウイルス治療へ投資が集中している段階であり、治療薬やワクチンの開発など医療面での投資や、特別定額給付金や持続化給付金など経済面での投資も集中する時期と言えます。

企業の変化

企業の変化は在宅勤務の推奨をするようになり、また経済の不透明感から新規事業への投資は抑制される傾向が出てくるでしょう。また営業時間の短縮や一部店舗の休業などを実施する企業も増えてきています。

個人の変化

個人の変化は外出を控え「三密」を避ける生活になります。仕事もテレワークやリモートワークで行い、不要不急の外出を控えるようになります。

中期的な変化(6ヶ月~3年)

続いて、6ヶ月~3年の中期的な変化について見ていきます。

社会の変化

医療面では、医療のオンライン化・オペレーションの効率化(遠隔手術など)やデータを活用した医療オペレーションなどが進むと考えられます。また教育面だとオンラインでの教育事業が加速されると見られています。

企業の変化

企業は、さらに事業のオンライン化が進むと想定されます。コロナウイルス感染症拡大防止のため、多くの企業でリモートワークやテレワークを導入をしていますが、この流れはWith/Afterコロナの時代も続きます。

また職場環境のオンライン化にとどまらず、小売やイベントなど今までオフラインで展開していた事業もオンライン化が進み、オンラインでの仕組み作りが各企業の課題となると予想できます。

個人の変化

個人の変化は、精神面・身体面どちらにも現れます。
精神面では、人との接点が少なくなり、外出機会が減るにつれ、孤独感が増大し、うつ病などの精神病になる人が増えるでしょう。人とのオフラインでの接点減少は、新たにオンライン上で楽しめる娯楽(オンライン飲み会、e-sportなど)が求められるようになると予想されています。

身体面では、通勤が不要となったり、外出自粛の影響により運動不足が深刻化し、それに伴い健康への意識が高まりが起こり、心拍数や呼吸量など生体情報を活用したインテリジェントスポーツなどに注目が集まってくると予想されます。

長期的な変化(6ヶ月~3年)

最後に6ヶ月~3年の長期的な変化を見ていきましょう。

社会の変化

外出抑制による消費控えは倒産やそれに伴う失業率の増加により世界的な不景気をもたらします。国家間では、マスクや医療物資の奪い合いが起こり、また他国の新型コロナウイルスへの対応への不信感を持つようになったりと、国際政治は不安定になることが予想されます。

そして、不景気による失業率増加は、犯罪や家庭内暴力、自殺者の増加をもたらします。そうした治安低下に対応するため、新たな治安維持機構が求められます。

企業の変化

企業にはコロナウイルスにようなパンデミックが再び起きる可能性に備えて、サプライチェーンの再構築が求められるでしょう。更に自動運転やファクトリーオートメーションへの投資が進み、感染リスクの低い生産体制をとる企業が増えてくると考えられます。

個人の変化

長期的な個人の変化としては「働き方の多様化」が挙げられます。リモートワークの加速で、ライフイベント・ライフスタイルに合った自由な場所や形態で働けるなど多様な働き方が生まれることになります。また感染リスクの高さのため、地方移住が進むと考えられます。さらに、不景気になると生活コストを下げる目的で地方移住をする人が増える可能性もあります。

まとめ

今回はWith/Afterコロナ時代における変化について見てきました。
今後はオンライン化や働き方の多様化などがキーワードになりそうです。With/Afterコロナ時代では社会・企業・個人のレベルで大きな変革が起きると想定されるため、目先の課題解決だけでなく中長期的な視点と視野を持ち生活していく必要があると考えます。

参考:アスタミューゼ株式会社プレスリリース