テレワークで変わる就業規則、ルール作りのポイントを解説!勤務規定のひな形も紹介

テレワークを本格的に導入する際には、労働時間や労働場所などの観点から、運用している就業規則を再定義する必要があります。

そこで今回はテレワークのルールづくりの一環として、就業規則に定める規定やそのひな形を見ていきましょう。

就業規則が必要な理由

テレワークに対応した就業規則が必要な理由は、「既存の就業規則ではテレワークに対応できない項目がある」ためです。

例えば、テレワーク=在宅勤務ということであれば自宅で仕事をすることが前提となります。

しかし従業員が、自宅のネット環境が整っていないという理由から、カフェや漫画喫茶、コワーキングスペースで仕事をしていた場合、在宅勤務というルールを守っていないため就業規則違反となります。

こういった問題に対して企業は、自宅でのネット環境を整備するのか、自宅というルールを外して働くことを承認するのかを決めなければなりません。
このルールを決めるのが就業規則なのです。

他にも服装規定など、出社を前提とした働き方をベースに決めていた就業規則では、対応できないケースが今後も出てくることでしょう。

テレワークに対応した就業規則を決めておかないと、従業員としてもテレワーク時には何が禁止されているか分からず混乱をしてしまいます。

テレワークを導入する際には、就業規則をしっかり定めなくてはいけないのです。

就業規則で定める項目

前章では、なぜ就業規則が必要なのか、その理由を解説してきました。
現在、テレワークを導入している企業では、就業規則の一部又は付則にテレワーク勤務規定を作成しているようです。

ここからはテレワーク勤務規程で定めるべき項目を一部見ていきましょう。

労働時間を定める

テレワーク時の労働時間は必ず就業規則に盛り込む必要があります

テレワーク勤務であっても、国が定めた労働時間制度を適用しなければならないためです。

ただし、テレワーク勤務の形態により、企業によって適切な労働時間制は異なるため、どの労働時間制が自社に合うのかをしっかり検討しなければいけません。

出典:テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

これは通常の労働時間制(1日8時間、1週40時間の法定労働時間以内の所定労働時間とするもの)の職業規定例です。

テレワーク勤務規程を追加し、テレワーク時と就業規則の労働時間は同じである旨を記載しています。

このように、テレワーク勤務時の労働時間についても既存の就業規則に則るものなのか、それとも異なるのかをルールとして定めなければいけません。

基本給・諸手当は原則変えない

基本給・諸手当は、テレワーク勤務だからといって減額することはできません。もし減額してしまうと不利益変更にあたります。

ただし、労働時間が短くなる場合は、労働時間に対応した基本給にしたり、手当の性質に相応した処遇にすることは可能です。なお通勤手当については、手当ではなく、実費を支払うケースもあります。

参考:テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

連絡体制を規定する

テレワーク勤務時の連絡体制も就業規則でルール付けする必要があります。

まず事故・トラブル時は誰に連絡するのか、もしその人に連絡が取れない場合は誰に連絡をすれば良いのかを規定します。

また情報通信機器に不具合が生じた場合の連絡体制や、社内報や部署内回覧物の共有方法なども定めておきましょう。

手当や費用負担を明示する

テレワーク勤務であっても、合理的な理由なく給与を減額することはできませんが、手当や費用負担については、ルール作りが必要です。

例えば、通勤手当ですが、通勤頻度により手当を見直すことができます。

通勤手当について、例えば、以下のような規定を設けることが可能です。

出典:テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

このように、在宅である日数以上勤務した場合は、通勤手当を支給せず、もし会社に通勤することがあれば、実費で支給する、と定めるケースもあります。

また通信費についても例えば下記のように規定することができます。

出典:テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

これは会社が貸与するパソコンやタブレットを利用する際の通信費は会社負担にするケースです。

ただし、通信費については、プライベートで使うのか業務で使うのか、その線引きが難しいことから、通信手当もしくは通信環境構築を目的とした手当を出す企業も多くあります。

就業規則のひな形

テレワーク勤務の就業規則のひな形として、テレワークモデル就業規則~作成の手引き~の厚生労働省の資料P.24~26を参考にすると良いでしょう。具体的な例も出ており、非常に分かりやすいです。

また一般社団法人日本テレワーク協会がホームページ上で公開しているテレワークに関わる勤務規則例も参考になりますのでチェックしてみてください。

まとめ

今回はテレワークにおける就業規則のルールづくりのポイントをまとめてきました。

今回挙げた項目以外にも、各社の事情に合わせて規定を作成する必要が出てくるかと思います。その際はこの記事でも挙げたテレワークモデル就業規則~作成の手引き~テレワークに関わる勤務規則例を参考に、規定を定めていきましょう。

記事監修:染谷祐吏(yuri someya)
一部上場企業のデジタルマ―ケティング責任者としてデジタルトランスフォーメーション推進や新規事業開発に従事。業務支援コンサル、ベンチャー企業の戦略人事を経て2019年にデジタル人材特化型のエージェントとして株式会社MOCHIを設立。テレワーク×DXの課題解決として「リモフリ」を立ち上げ。