リモートワーク生産性問題は「プロジェクトの小口化」で解決

リモートワークが推進されていく中で、働いている姿が見えない社員をどのようにマネジメントすべきか。悩んでいるマネジメント層の方も多いのではないでしょうか。今回は、倉貫義人氏の著書『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』(技術評論社)からリモートワークでのマネジメントに活かせる「プロジェクトの小口化」という手法をご紹介します。

リモートワークで生じるマネジメントの障壁

リモートワークでは、マネジメントにどのような障壁が生じるのでしょうか?まず、社員の勤務態度を確かめることができません。特に自宅でのリモートワークは、プライベートとの境目が曖昧になりがち。もしかしたら勤務時間中に寝ていたり、テレビを見たりと、サボっている可能性もあります。

PCのログイン状況を管理し労働時間を把握できたとしても、仕事の進捗や成果は見えにくいもの。「順調です」「8割終わっています」と言った報告があった場合、その進捗度合いは個人の感覚に委ねられます。安心して任せていたのに納品日になってタスクが終わっていない、など取り返しのつかない段階で問題に気づくことも増えるかもしれません。

「プロジェクトの小口化」のメリット

そこで、『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』で倉貫義人氏が提唱しているのが「プロジェクトの小口化」です。倉貫氏が経営するシステム開発会社ソニックガーデンは、在宅勤務が基本。管理職はおらず、社員全員が自発的に働く組織なのだとか。そんな倉貫氏が実践している様々な施策の1つが、「プロジェクトの小口化」。例えばシステム開発であれば、1週目に開発、2週目に機能作成といったように、仕事内容を小さくし都度確認していく方法です。倉貫氏はこの「プロジェクトの小口化」のメリットを次のように指摘しています。

「大きな単位の仕事や取り組みは、どうしても特別なことになってしまいます。特別なことは大変なので、たとえいいことであっても取り組むのが億劫になります。それを小口化していくと、気軽になってとりかかれるようになり、日々の中に溶け込んでいきます。そうなると、それはもう〝習慣〟といえます。習慣になってしまえば、無理をせずとも続けられるようになります。」倉貫 義人『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』(技術評論社)

「プロジェクトの小口化」は、社員のモチベーションUPのためにも有効な手段なのです。また、プロジェクトの進捗が分かりやすくなるだけでなく、早い段階で軌道修正することができます。

スムーズに「プロジェクトの小口化」を行う方法とは

「プロジェクトの小口化」を進めるには、社員との定期的なコミュニケーションが必要です。そこで倉貫氏が推奨するのがチャットとテレビ会議。近年ではslackやChatworkなどビジネスを円滑に進めるチャットシステムが多数リリースされています。これらはメールよりもメッセージのやり取りが素早くでき、受信箱に溜まった何百通のメールの中に重要な相談が埋もれることもありません。

参考:テレワーク導入で役立つおすすめの無料ビジネスチャットツール

また、テレビ会議であれば遠隔にいる社員もリアルタイムでコミュニケーションが可能。このコミュニケーション体制が確立されていれば、海外在住の優秀な社員を雇用することも容易になるでしょう。

管理せず、自発的に創造的な仕事を生み出す組織へ

リモートワーク下での理想は管理で縛り付けるのではなく、社員が自発的に生産性の高い仕事を生み出す組織。それを実現するには、社員の創造性を高めるマネジメントが重要です。倉貫氏は以下のように述べています。

「たとえ担当するのが一部の工程であっても、全体像や目的を知っておくことができれば、より高い目線で仕事にのぞめるようになるし、チームの一員として貢献している気持ちが強くなります。創意工夫をするにしても、目的を知っているほうが効果的なアイデアが出せます。」(同書)

その仕事の全体像や目的は何かを知っていれば、与えられた仕事以上の価値や提案が生まれていくのです。まずは仕事の全体像を伝え、小口化したプロジェクトで認識齟齬や社員のストレスを減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。

記事監修:染谷祐吏(yuri someya)
一部上場企業のデジタルマ―ケティング責任者としてデジタルトランスフォーメーション推進や新規事業開発に従事。業務支援コンサル、ベンチャー企業の戦略人事を経て2019年にデジタル人材特化型のエージェントとして株式会社MOCHIを設立。テレワーク×DXの課題解決として「リモフリ」を立ち上げ。