会議やプレゼンをオンライン上で実施するテレワーク時代。移動時間が短縮されるなどメリットも多い一方で、面と向かって話せないことが「伝わりにくさ」に繋がることも。
『説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン』(日本実業出版社)で浅田すぐる氏が提唱するのは、「紙1枚」にプレゼン内容をまとめること。オンライン化が進む今だからこそ、体得したいメソッドをご紹介します。
テレワークで変化する会議・プレゼン
テレワーク体制では、会議やプレゼンもZoomなどのオンラインシステムを使用することが多いのではないでしょうか。
コロナ禍に伴う新しい生活様式の中で、「オンライン商談」というキーワードも一般化。離れた場所にいる社員や取引先とも繋がれる一方で、オンラインでの会議は複数人が話しにくいもの。
会議自体の回数を減らし、必要最低限の会議だけが残っていく傾向にあります。そのため、会議やプレゼンで発言する際は要点を端的に伝えることが求められるのです。
考え抜く力を養う「紙1枚」のプレゼンとは?
そこで今回ご紹介するのが、浅田すぐる氏の『説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン』(日本実業出版社)。
浅田氏がトヨタ自動車株式会社に在籍していた頃、提案や相談、報告を「紙1枚」でまとめる文化を体感しました。その特徴は以下の3つ。
「1:「紙1枚」にまとまっていること
2:「枠=フレーム」で囲われていること
3:「テーマ」が各枠の上部に記載されていること」
(書籍『説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン』より)
伝えたい内容を「紙1枚」にまとめることは容易ではありません。
自然と情報を整理し、「結局自分は何を伝えたいのか」を突き詰めて考えることができます。
更に紙に「枠」を作ることで、空白を埋めなければならないという心理的効果も働きます。また、「目的」や「課題」といったテーマを記載することで、余計な内容を省くことができるのだと言います。
思考を整理する3つのキーワード
ただ、いざ伝えたいことを紙1枚にまとめようとしても、なかなか難しいもの。
そこで浅田氏は、思考をロジカルに整理する3つのキーワードを紹介しています。
それが、「What?」「Why?」「How?」。トヨタ在籍時、浅田氏は資料やプレゼン内容で指摘された相手からのツッコミを分析。
するとこの3つの問いに集約されたのです。そこで3つの問いに対する答えであらかじめ資料を構成したところ、ツッコミがほぼ無くなったのだとか。
例えば企画提案をする際は、以下の3つの問いで思考を深めます。
「●なぜ、この企画をやりたいのか?………Why?
●この企画の概要は?……What?
●どうやって企画を実現していくのか?………How?」
(同書)
この問いに沿って思考を整理していくことで、自然と論理的思考を深めることが可能となります。
とはいえ、最初は一回では上手くまとまらないもの。何度もこの問いを繰り返し、思考を深めていきましょう。
テレワークでも「紙1枚」の思考整理を実践しよう
オンラインでの会議は手軽な分、準備が不足し「結局何を言いたいのか分からない」といった状況に陥りがち。
会議の前に時間を取って、伝えたいことを「紙1枚」にまとめてみましょう。
また、これを事前に相手に共有しておくことで、相手の思考も整理されます。
プレゼンの要点を掴んだ上で会議に臨めるため、説明せずとも相手からのOKを勝ち取ることができるのです。
テレワークでのスムーズなプレゼンを実現させるため、ぜひ活かしてみてはいかがでしょうか。
紹介した書籍:説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン
記事監修:染谷祐吏(yuri someya)
一部上場企業のデジタルマ―ケティング責任者としてデジタルトランスフォーメーション推進や新規事業開発に従事。業務支援コンサル、ベンチャー企業の戦略人事を経て2019年にデジタル人材特化型のエージェントとして株式会社MOCHIを設立。テレワーク×DXの課題解決として「リモフリ」を立ち上げ。