テレワーク導入企業の管理職の悩み事、その一つに従業員の管理があります。
その働きぶりが見えない分、心配になるのは仕方ありません。今回はテレワークにおける従業員の「さぼり」を防止する対策をご紹介します。
テレワークは従業員の「さぼり」が心配
テレワークや在宅勤務中の従業員がさぼっていないかは、多くの管理職の悩みであるようです。
厚生労働省が運営している「テレワーク総合ポータルサイト」にも”テレワーク中に部下がさぼるのではないかと心配“という相談がされています。
従業員の労働状況を見ることができないのはテレワークのデメリットかもしれません。
しかし、うまくそのデメリットを克服することができれば、メリットにより目を向けることができるのではないでしょうか。
さぼりを防ぐ4つの方法
従業員のさぼりを防ぐ4つの方法を見ていきましょう。
方法①結果報告を義務付ける
テレワークやリモートワークのさぼり対策は、「その日何をして、どんな結果・成果だったのか」について報告義務を設定する方法が有効です。
具体的には、テレワーク前日もしくは当日に、その日やる予定の業務を上司に報告し、業務を終えたら結果・成果報告をする、という流れで行います。
また結果だけでなく、場合によっては進捗報告も義務付けても良いでしょう。
報告義務を設けることで、テレワークであっても仕事を行う必要に迫られ、さぼる時間を減らすことができます。
また、逆についつい仕事をし過ぎてしまう”さぼらない”従業員に対しても、進捗・結果報告をさせることで、仕事に区切りをつけさせ、過重労働を防ぐ、という効果も期待できます。
方法②各社員の仕事の範囲を明確化する
業務で「誰がどこまでの仕事をするのか」を明確に分けているでしょうか?
日本企業の多くは、この“誰がどこまで仕事をするのか”の線引きが非常に曖昧だと言われています。
確かに困った時は誰かが助けてくれたりと、業務の線引が曖昧な方が何かと助かる場合もあるでしょう。しかしテレワークにおいてはその曖昧さが「さぼり」に繋がる可能性があります。
なぜなら、今日は誰がどこまで業務を進めれば良いのかが共有されておらず、仕事の責任の所在も曖昧なため、「まぁこれくらいで今日は仕事を終えて、後は休もう」という考えになりやすいからです。
これはさぼる従業員が悪いという話ではなく、自分がどこまでの仕事をすれば良いのか把握しづらいシステムが、従業員のさぼりやすい環境をつくってしまっている、と見た方が良いでしょう。
業務の線引の曖昧さを克服するために、従業員1人1人の仕事の範囲を明確に決め、各々がその仕事をやり遂げるようなシステムに変えてみてはいかがでしょうか。
管理者が従業員の仕事を月もしくは週単位で定め、従業員はその仕事をやり遂げるために業務に励むという構図をつくることで、従業員がさぼるリスクも回避することができるでしょう。
方法③評価基準を明確にする
評価基準を明確にすることで、従業員の仕事へのモチベーションが高まり、さぼる意識が薄らぐ効果が期待できます。
特に何をどこまでどれくらいの成果を出したらいくつの評価をするといった“定量評価”の基準を明確にすることをおすすめします。
従業員の目線からすると「上司にどう見られているか」を気にすることなく、成果を出せばその分評価されると分かると、さぼらずに仕事を頑張ろうというモチベーションになります。
方法④さぼり防止ツールを導入する
さぼり防止のために「ツールを導入する」という方法もあります。
株式会社テレワークマネジメントが提供している「F-Chair+(エフチェアプラス)」は、従業員の稼働時間を把握できるツールです。
この「F-Chair+」は、従業員のデスクトップ上に「着席」「退席」ボタンが表示され、仕事中は「着席」、仕事以外は「退席」を押す仕組みとなっています。
そのため管理職はどの従業員が「着席」=仕事中なのかを把握することができるのです。
なお着席となっていてもさぼる従業員がいないように、パソコンの画面が定期的に自動で保存されます。
管理職はその画面を見ることができるため、従業員は「着席」中にパソコンで仕事以外の作業をすることができないのです。
また「着席」を押していた時間=勤務時間とカウントされるため、誰がどれくらい仕事をしたのかを一目で把握することが可能です。
「F-Chair+」以外にもパソコンに顔認証をさせて、その従業員がどれくらいパソコンの前にいたかを計測するソフトなどもあります。
ただこれらのさぼり防止ツールを導入するためには、ある程度従業員の理解も必要になります。
しっかり管理職と従業員でコミュニケーションを取った上で導入することをおすすめします。
まとめ
今回はテレワークでの従業員の「さぼり」を防止する方法を紹介してきました。
リモートワークや在宅勤務で生産的な業務を行えるかは、仕事の気持ちの切り替えが大切です。
管理、監視することを目的にしてしまうと管理する側も管理される側も窮屈になってしまいます。
お互いが気持ちよく働けるように、在宅の働き方について双方が理解し、企業目標を達成していくことが、働き方の多様性と言えるのではないでしょうか。
記事監修:染谷祐吏(yuri someya)
一部上場企業のデジタルマ―ケティング責任者としてデジタルトランスフォーメーション推進や新規事業開発に従事。業務支援コンサル、ベンチャー企業の戦略人事を経て2019年にデジタル人材特化型のエージェントとして株式会社MOCHIを設立。テレワーク×DXの課題解決として「リモフリ」を立ち上げ。