新型コロナウィルスの影響で、テレワーク・リモートワークといった働き方が進められています。その際課題となるのが、ネットワークシステムの構築です。
在宅勤務の課題はネットワーク環境構築
企業や団体などが本格的にテレワークを推進するためには、ネットワーク利用環境に十分なセキュリティを確保することが求められています。
ところが、従来の企業間あるいは企業-自宅間のネットワークでは、シンクライアントやVPNといったテレワークシステムが中心でしたが、ユーザー登録や契約、課金といった各種事務手続きが煩雑で、また時間もかかり、専門のIT担当者が必要でした。
こうした課題を解決すべく開発されたのが、「シン・テレワークシステム」です。
「シン・テレワークシステム」とは
今回、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)などが共同で開発した「シン・テレワークシステム」は、契約やユーザー登録が不要で、そのまますぐに利用開始できる無償のVPN+リモートデスクトップ環境を実現しています。
このシステムは2020年4月22日に提供開始され、10月31日まで無償で利用することが可能となっています。
主な特徴
「シン・テレワークシステム」は、新型コロナウイルス対策として、政府をはじめとする各方面からの社会的要請を受けて緊急に開発されたもので、当該ソフトウェアを職場や自宅のPCにインストールするだけで、自宅のPCからVPN経由でネットワークを接続し、リモートで利用可能にします。
このシステムでは、従来のようなグローバルIPやルーター・ファイアウォール(FW)といった設定が一切不要で、多くの企業や団体で導入されているHTTPプロキシ型FWにも対応しています。
ネットワーク回線インフラについても、NTTのフレッツ回線だけでなく、その他のインターネット回線でも利用可能で、通信はSSL機能によって暗号化が強化されています。
このシステムは、NTT東日本とIPAだけでなく、官民の各研究機関も共同参画して緊急に開発されたため、無保証・非営利の位置づけで、一時的に無償で開放されています。
まとめ
テレワーク化に伴い、WEB会議システムなどが注目されている一方、セキュアなネットワークインフラの構築も大きな課題でした。
この緊急に開発されたシステムを利用することで、コロナが収束するまでの期間を中心に企業などが利用を拡大すれば、ネットワーク構築に要するコストも軽減でき、経費削減にも繋がるシステムとして期待されています。