テレワークでの仕事は、「社員の管理の難しさを痛感する」というマネージャー陣の声をよく聞きます。特に、新型コロナウイルス感染症防止をキッカケにテレワークを導入した企業にとっては、試行錯誤が続いたことでしょう。
テレワークでの管理方法に悩んでいる方へ、テレワーク導入企業がぶつかる課題、特にコミュニケーション・勤怠管理・テレワーク環境の不備・商談数減に絞って、その対策方法をご紹介していきます。
テレワークの課題と各社の対策
それでは早速、テレワークの課題と各社の対策を見ていきましょう。
コミュニケーション不足になる
株式会社ラーニングエージェンシーが企業の人事・教育担当者948人を対象にテレワークがもたらす影響についてアンケートをした結果、約7割が「コミュニケーション不足」に陥ってしまったと回答。
テレワークの場合、どうしても同じ空間にいないため、ちょっとした雑談などができません。では、この課題を克服するために各社はどのような対応をしているのでしょうか。
オンライン飲み会手当支給【株式会社サイバー・バズ】
ソーシャルメディアマーケティング事業を展開する株式会社サイバー・バズは、社員同士のコミュニケーション活性化のためオンライン飲み会手当を一律5,000円補助する福利厚生を導入しました。
社員は、このオンライン飲み会手当を利用して、野球部オンライン飲み会や、先輩社員×新入社員飲み会などいくつかオンライン飲み会を開催し、交流を深めていけたそうです。
詳しい飲み会の様子は株式会社サイバー・バズがブログにて公開していますので、是非ご覧になってください。
参考記事:(<レポート>今だからこそできる!?社員交流・オンライン飲み会に潜入してきました!)
雑談をする仕組み作り【LINE Fukuoka株式会社】
LINE株式会社のグループ会社であるLINE Fukuoka株式会社は、Webツールを活用し、雑談ができる仕組みを作りました。
例えば、普段業務上のやりとりをしているチャットツールに「雑談専用チャンネル」を作成し、社員同士の雑談を促したり、また、日報をWeb会議ツール上に提出する際にも仕事の進捗+その日あった良いことや発見を+αで報告するという取り組みを行いました。
結果、誰かの何気ない投稿や発信をキッカケにどんどん話が盛り上がり、コミュニケーションが活性化したようです。
詳しい様子を知りたい方は同社がリリースしている下記記事をご参照ください。
参考記事:(在宅勤務(テレワーク)中も「最高のチーム」をつくる!コミュニケーションのアイディア)
勤怠管理が難しい
離れた場所で仕事をするテレワークは、社員がどれだけ業務を行ったのか、打刻をどうするか、など勤怠管理の面で課題が出てくるかと思います。企業はそうした勤怠管理の課題に対してどのように対策しているのでしょうか。
勤怠管理ツールを活用【株式会社ノハナ】
フォトプロダクト販売事業を手掛け、テレワークを推奨している株式会社ノハナは、勤怠管理ツール「ジョブカン」を活用して、効率的に勤怠管理をしています。
打刻は、「ジョブカン」を使用し、パソコン・スマホ・Slackなどから打ち、勤怠情報も「ジョブカン」を使って確認しているようです。
勤怠管理ツールは「ジョブカン」以外にもたくさんありますので、気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:テレワークやリモートワークに役立つおすすめの勤怠・労務管理ツール
また株式会社ノハナのより詳しい「ジョブカン」の使用方法については、「ジョブカン」のHPにて公開しています。
参考記事:(リモートでの打刻や人事労務業務が可能に。自由な働き方を実現)
テレワーク環境が整っていない
特に新型コロナウイルス感染症の影響で急遽テレワークを導入した企業は社員から「テレワーク環境(特に通信環境)が整っていない」という声を聞いたことがあるのではないでしょうか。
こうした課題に対し、同じ様にテレワーク環境が整っていない社員がいる企業では、手当を支給することでこの課題の対策としているようです。それでは各企業の手当について見ていきましょう。
通信手当3,000円他支給【さくらインターネット株式会社】
インターネット接続サービスを提供しているさくらインターネット株式会社は、臨時通信手当3,500円(一時金)と通信手当3,000円(毎月)を支給しています。
同社は今後テレワークの働き方を前提とするため、テレワークによって社員に掛かる通信コストを毎月支給することにより、通信環境の整備など快適なテレワーク環境つくりを促す目的があると考えられます。
在宅勤務手当60,000円支給【株式会社メルカリ】
フリマアプリ「メルカリ」を運営している株式会社メルカリは、自宅でのテレワーク勤務環境構築などのため60,000円(半年分)の在宅勤務手当を支給しました。
手当はテレワーク勤務環境構築が目的に支給されているものですので、通信環境を整えたり、机を買ったりといったテレワーク環境を整える用途全般に使えそうです。
商談数が減った
テレワークを導入して、特に訪問を前提とした営業活動を行ってきた企業は、「商談数が減ってしまった」という課題に直面したところもあるのではないでしょうか。
株式会社マツリカが企業の経営者、管理職、営業担当者等233名を対象にしたアンケートによると、88.4%の人が所属する営業組織でリモートワーク(テレワーク)を行い、新型コロナウイルス感染症対策の影響で「商談の機会が減ってきている」と感じる人は84.1%にのぼっています。
今後テレワークの働き方が一般化した場合、商談数の減少傾向は今後も続く可能性が高いです(例え、自社がテレワークにならなくても、取引先がテレワークになる可能性はあります)。そこでこの課題の対策として、Web商談ツールを導入した事例を紹介します。
Web商談ツールの導入【株式会社インターゾーン】
株式会社インターゾーンは、自動車業界向けのCRMを提供しており、全国のガソリンスタンド、整備工場などがクライアントです。同社はWeb商談ツール「ベルフェイス」を導入し、商談数3倍、受注数1.5倍という結果を出しました。
以前は、出張を伴う対面での対応が主流だった同社ですが(当時は業界的にも社内的にも訪問が当たり前だったそうです)、「ベルフェイス」を導入した結果、顧客接点が増え、サポートも細やかにできるようになった結果、商談数・受注数ともに大幅に伸ばすことができました(交通費も激減しました)。
このように訪問が当たり前だった企業であっても、Web商談ツール導入により、より良い結果が出せた企業もあります。詳しくは下記URLを参照してください。
参考記事:(株式会社インターゾーン 商談数3倍,受注数1.5倍!訪問が当たり前の業界でオンライン商談が受け入れられた秘訣はデジタルだけどアナログ感の創出?)
また「ベルフェイス」以外のおすすめの商談ツールもたくさんありますので、気になる方は下記記事をご覧ください。
参考記事:テレワークの営業で役に立つおすすめWEB商談ツール6つ
まとめ
今回はテレワークに関わる課題と各社の対策を見てきました。各社、テレワークの課題に向き合いつつ、対策を講じていることがわかりました。この記事を読んで、少しでも「これは取り入れられそうだな」というものがあれば幸いです。