新卒採用のオンライン化によって学生の志望度が上がることが明らかに

コロナ禍の就職活動に関して、2人に1人が企業の対応次第で志望度に変化があると回答し、志望度を左右するのは「オンライン化」であるという調査結果を株式会社MOCHIが発表いたしました。調査で明らかになった学生の心理状況から、人事採用担当者が行う新卒採用で社会から求められることが見えてきました。

調査結果のサマリ

・コロナ禍の就職活動に影響が出ていると回答した大学3年生は7割(73.3%)
 
最も影響が出ているのは「説明会の中止または延期」と判明
・コロナ禍の就職活動に対して不安があると回答した大学3年生は8割(83.5%)
 最も不安なことは「就活の長期化」と判明
・企業の対応次第で志望度に変化があると回答した大学3年生は5割(51.0%)
 学生の志望度を左右するのは「オンライン化」と判明

調査内容の詳細

2020年2月から3月に四年生大学に通う大学3年生向けに行われた「コロナ禍における就職活動の意識調査」によれば、新型コロナウイルスの感染拡大で、3月以降の就職活動に影響を及ぼし、それにより不安が広がっていることが分かりました。例年のような就職活動ができない環境の中で、企業対応が学生の志望度を左右するということが明らかになっています。これについて詳細を見ていきましょう。

大学3年生の7割が就活に影響あり

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、就職活動に影響が出ていると回答した大学3年生は7割(73.3%)にも及びます。では具体的にどんな影響があったのでしょうか。

具体的な影響について見てみると、「合同説明会の中止または延期」(33.7%)、次いで「会社説明会の中止、または延期」(26.9%)で、この結果から、企業から直接情報を得る機会を失ったことが最も影響が大きいことが分かります。
例年3月は就職解禁によって各企業が合同説明会や企業説明会を行い、就職活動を行う大学生に対面で企業理解を促す機会があります。こういった機会が新型コロナによる活動自粛によって失われてしまいました。

大学3年生の8割以上が就活に不安を抱える

新型コロナの影響で就職活動に不安があると回答した大学3年生は8割(83.5%)でした。では具体的にどんな不安を抱えているのでしょうか。

回答者の8割以上が不安に感じているのは、「就職活動の長期化」(86%)、「万が一感染した場合の日程調整等の配慮有無」(85%)、「会社説明会の延期」(80%)、「一度も会社を訪れないまま選考が進むこと」(80%)となっています。

例年3月から始まる企業説明会や企業の採用活動が活動自粛によって中止または延期となり、就職活動が後ろ倒しになることが不安材料となっています。そして企業の自粛以外に、自分自身が新型コロナウイルスに感染した際の就活の出遅れも不安要素として大きいようです。説明会の会場では密になる可能性が高く、感染リスクが高くなるため、就職活動をしたくてもできない「葛藤」があるようです。一方で、就職という重要な意思決定をオンラインのみ完結することに対しても不安があるため、学生の心理バランスは不安定と言えるでしょう。

大学3年生の5割は企業対応で志望度に変化あり

コロナ禍の就職活動において、企業の対応によって志望度に変化はあると回答した大学3年生は5割(51.0%)となりました。では具体的にどんな対応が望まれているのでしょうか。

企業対応として志望度が上がるのは「会社説明会動画の在宅視聴」(53%)、「会社説明会のオンライン化」(49%)となっています。
不安材料として上がっていた調査内容からも推測できる通り、感染リスクを抑えながらも就職活動をしたい学生が多いことを考えると、WEB上での情報収集が適切に行えることが企業選びの軸になると考えられます。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大で、就職活動に影響を受けている学生が7割(73.3%)、就職活動に不安を抱える学生が8割(83.5%)、学生の志望度を左右する企業対応がオンライン化であるということが分かりました。

緊急事態宣言が解除され、各企業が新卒採用活動を進めるうえで重要になるのは、対面で学生に伝達していた情報と同等レベルの情報をオンラインでも伝達できるようにすることでしょう。また選考フローの改善を行い、学生がオフラインかオンラインでも参加できるような仕組みや、柔軟性をもって対応する体制を整えていく必要がありそうです。

参照:コロナ禍における就職活動の意識調査