調査の背景
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がテレワーク・リモートワークや在宅勤務など、出社しない働き方を導入しています。
株式会社カオナビ配下の研究機関であるカオナビHRテクノロジー総研では、リモートワークに関する実態調査を実施してきましたが、今回は調査第三弾として、リモートワークの未来に焦点を当てて調査し、その結果を分析・考察しました。
調査結果(サマリー)
① 過半数(51.7%)の回答者がリモートワークを継続希望
② 一方、マネージャー層の2割以上(21.3%)がリモートワークを続けたくないと回答
③ リモートワークを継続していく際の懸念点として挙げられるのは人材育成、業務進捗のスピード、また仕事の成果を維持し創出することなど
④ リモートワークで使えるツールは、オンラインWEB会議ツールがトップで、ITツールの導入や活用が上位の評価
調査結果からみた5つのポイント
1.リモートワークの導入率と属性
・リモートワークの導入はまだ全国的にみれば少なく、地域では首都圏、業界はIT関係、属性分類は大企業のホワイトカラーが多数
2.リモートワークに対する評価
・リモートワークによる実感は働きやすい一方、生産性が落ちるとの評価も
・回答者の多くはリモートワークを継続希望
3.リモートワークのメリットとデメリット
・時間や心身のゆとりができるメリットがある一方、自己管理が難しいデメリットも
・社内コミュニケーションが減ったことをメリットともデメリットとも評価
4.リモートワークの課題
・リモートワークは生産性が低下し、コミュニケーションも取りにくいため、部下を持つマネージャーにとっては難しいマネジメント上の課題
・人材育成や業務進捗スピード、成果に対する維持・創出が長期での懸念材料
5.リモートワークに求められる施策やツール
・オンラインWEB会議ツールの導入必須
・業務アプリケーションツールの導入も最低限整備する必要あり
分析と考察
今回の調査から、リモートワークは多くの従事者に利点も多く、継続を希望する人も多数みられました。新型コロナウイルス感染拡大という状況下、リモートワークを評価する人は以前よりも大幅に増加しています。また、企業にとってもリモートワークの推進によって従業員の遠隔採用や採用にあたっての競争力強化が期待できます。
リモートワークによるでのマネジメント上の課題もある一方、従業員の採用やエンゲージメント・モチベーション向上、更には離職防止といった観点からも、企業はリモートワークを積極的に取り入れる価値があるとみられます。