中小企業の資金調達に関する調査・分析を実施
会社を経営する上で重要なポイントとなるのが資金調達ですが、とりわけ中小企業の経営者にとっては資金調達や資金繰りの悩みが大きい現状があります。
株式会社社長のきもちは今回、従業員規模200名以下の中小企業経営者を対象に資金調達に関するアンケート調査を実施し、その分析結果をリリースしました。
調査結果概要
今回の調査結果概要は次のとおりです。
1.中小企業経営者における資金調達の方法と課題
資金調達方法の上位5項目は下記の内容となっています。
①金融機関からの融資・借入れ(50.5%)
②自己資金(47.4%)
③補助金・助成金(32.1%)
④株式発行(12.8%)
⑤クラウドファンディングの活用(5.4%)
資金調達における悩みと課題は次のとおりです。
①補助金や助成金に関する申請書類の作成(30.1%)
②金融機関からの貸し渋り・打ち切り(22.9%)
③担保がない(22.7%)
④資金調達まで時間がかかる(21.2%)
⑤補助金や助成金の打ち切り・終了(16.2%)
2.資金調達が進まず倒産・休業の危機を経験した経営者が全体の3割以上
金融機関からの貸し渋りや打ち切り、また補助金や助成金の終了などによって多くの中小企業が困惑している状況ですが、資金調達が進捗せず倒産や休業の危機を経験した中小企業の経営者は、今回の調査結果、全体の3割以上(32.6%)にのぼりました。そして、その危機をどう脱出したかについて、下記のような定性コメントが寄せられました。
会社の危機を脱出できた方法と経験(事例)
・自社を担当する地銀の融資体制が変わったことで、援助の要請が得られたことは幸運だった
・資金調達で苦労していた時にたまたま大きな仕事を受注し、切り抜けた
・地元以外で緊急融資可能な他の金融機関と交渉した
・とにかく粘り強く何度も足を運んで担当の金融機関を説得した
3.資金調達の手法としてクラウドファンディングに注目
中小企業の経営者が資金調達の方法として注目している上位5項目は次のとおりとなっています。
①クラウドファンディング(40.6%)
②ベンチャーキャピタル(12.4%)
③ファクタリング(11.8%)
④エンジェル投資家(7.6%)
⑤ビジネスコンテスト(3.7%)
トップにランキングされたクラウドファンディングについては、自社の経営趣旨に賛同が得られれば資金調達の可能性がある、会社の知名度アップや宣伝にもなる、また財政状況に関係なく資金調達できるといった理由から注視している状況が明らかとなりました。
4.資金繰りの悩みを共有できる相手がいない状況が判明
資金繰りで難しい項目の上位は次のとおりです。
①悩みを共有できる相手がいない(32.0%)
②税理士の意見に流される(17.9%)
③銀行からの融資が困難(17.4%)
④キャッシュフローが不足(16.6%)
5.資金繰りにあたっての相談相手
資金繰りの悩みを(金融機関以外では)誰に相談しているかも明らかになりました。
①家族(22.1%)
②税理士などの専門家(21.0%)
③友人・知人(15.6%)
④会社の役員(14.8%)
⑤銀行や金融機関の担当者以外にはいない(10.2%)
本音で話せる相手がおらず、孤独感を抱える経営者が多いようです。