「ふるさと副業」、リモートワークで地方を活性化

地方でのリモート副業

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワーク・リモートワークや在宅勤務が全国に広がりました。こうした状況下で、非対面でも仕事が出来ることを実感した地方企業が、都市部の人材獲得に注目しています。

生活の拠点は都市部に置いたまま、リモートワークを活用して地方企業を副業の場としてもらおうという発想です。

約1割が副業への関心あり

一方、働く側の雇用環境変化も見過ごせません。
新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し業務量が減った企業では、社員に兼業や副業を認める動きが広がっており、政府も副業を後押ししています。

内閣府の意識調査によれば、コロナ禍をきっかけに副業を経験した人が2%、新たに副業を検討しはじめた人も9%と、全体の約1割が副業への関心を表明しています。

地方自治体も支援体制

こうした動きは各地域での経済活性化につながるとして、自治体も動きを加速させています。

事例を挙げれば、新潟県は都市部人材と県内の中小企業のマッチング事業を年内に開始します。民間企業に業務を委託して求人情報をネット上で公開するほか、副業に関心を持つ都市人材のオンラインコミュニティーを立ち上げます。

県の創業担当者は、社員として雇うより人件費コストが抑制できるので、U・Iターン転職者を受け入れるよりも副業者の方が企業もリスクを抑えて受け入れられるとみています。

複数の企業が副業を推奨

この状況を背景に、副業の人材に注目している企業も増えています。代表的な事例を取り上げます。

ウォンテッドリー

求人サイトを運営するウォンテッドリー社では、今年8月時点の地方企業による副業人材の求人がコロナ前の今年1月の3.26倍に達したことを確認しました。

エンジニアやデジタルマーケティングなどの専門人材の求人が中心ですが、こうした人材は都市部に集中しており、地方では求人を出してもなかなか見つかりませんでした。

同社では、従来地方企業は採用をあきらめていた人材が、本業の傍らリモートワークを駆使して専門性を発揮することを期待しています。

リクルートキャリア

同社では、定着した「ふるさと納税」になぞらえ、都市居住者が地方で副業することを「ふるさと副業」と命名し、2018年からマッチング事業を展開してきました。

報酬は専門性や拘束時間などにより様々ですが、月20~30時間程度の業務量で月額5万~10万円程度が得られるモデルが中心となっており、平日の夜間や週末でこなせる負担感といえます。

同社担当者は、地方企業で副業する人の目的は金銭的報酬だけではなく、生まれ育った故郷への恩返しの気持ちや、本業で経験できない仕事へのやりがいもモチベーションとして挙げています。

そして交流人口が増えれば地方も活性化し、今後の新しい働き方として定着していくと考えています。

参照 ウォンテッドリー リクルートキャリア