これから主流となる「ジョブ型副業」とは

コロナ禍で進むジョブ型副業

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、自社の事業縮小を迫られている会社は少なくありません。また、早期退職などの人員整理をしている企業も多数あります。

こうした状況下で、テレワーク・リモートワークや在宅勤務とともに、ジョブ型雇用(*)が進めば、副業は必ず増えていくとみられています。

(*)業務形態には「メンバーシップ型」「ジョブ型」の2種類があり、前者は新卒一括採用で総合的なスキルを求められる方式、後者は仕事の範囲を明確にすることで専門性を高める方式です。

この実態を裏付けるため、あしたのチーム社がこのたび「コロナ禍と副業」の調査結果を発表しました。

安易なリストラを避けたい企業

新型コロナウイルスの状況が今後どう落ち着くのか全く不透明な状況です。その中で大幅な人員整理を行った場合、マーケットが健全に戻った時に人材が足りず、競争力を失ってしまう危険性もあります。

その場合は競合他社に一気に市場を刈り取られてしまうリスク危機もあるでしょう。そう考えれば、安易なリストラはしたくないのが企業側の本音です。

ニーズのギャップを埋めるのが副業

そこで、従業員の勤務を週3日にしたり、雇用を維持しながらも副業を勧めるのが現実的です。

企業側の論理としては、現在は給与を半額しか払えないが、一過性のこととして我慢してくれれば、環境が正常に戻ったら支給を回復するというものです。

そして、この一過性の隙間を埋めていくカギとなるのが副業です。

副業で収入アップ

日本企業の1カ月の労働時間は160時間(1日8時間×5日×4週)が目安ですが、仮に企業側の都合で25%減となった場合は120時間で、その分給与も25%ダウンとなります。

カットされた40時間分を副業で補填してほしいという考え方が企業側の論理ですが、もし副業の時給単価が本業よりも高ければ、逆に収入は上がることになります。

ジョブ型雇用での明確な評価

ジョブ型雇用により仕事をジョブとして細分化し、副業や業務委託、アルバイトなど、さまざまな雇用形態の中で仕事が流れていく世界が生まれてきます。

これに伴い、各業務が明確化され、社員自身の工数と成果が評価制度の中で見える化されるため、企業側はこの業務と評価指標をアウトソースできないかと考えます。これがジョブ型副業の拡大に直結します。

マイナンバー制度との相乗効果る

政府はここ最近、マイナポイントとともにマイナンバー制度の普及を目指していますが、この動きは副業を取り巻く環境にも影響を及ぼしています。その理由は、マイナンバー制度によって、副業をはじめあらゆる課税対象が捕捉できるからです。

これにより、副業は怪しい、また何か隠しているといったネガティブな印象が払拭され、副業が正当な評価を勝ち取ります。

新設されたデジタル庁もマイナンバー制度を推進していく方針であり、こうした行政の動きも踏まえて今後は副業マーケットの評価が確立されていくとみられます。

参照:あしたのチーム