出社とテレワークの魅力を比較
世界各地でパンデミックを引き起こし、今なお拡大中の新型コロナウイルスですが、日本でもこの冬へ向けて更に第三波の感染拡大が進んでいます。
これに伴い、外出の自粛という観点から多くの企業が自宅などで仕事を行うテレワークが増進・定着しています。
こうした状況下、企業で働く社会人たちは「出社」と「テレワーク」のどちらに魅力を感じているのでしょうか。それぞれの相反する主張を分析し、比較検討した結果があります。
テレワーク派と出社派の主なコメント
テレワークのメリットを感じる人(テレワーク派)とデメリットを語る人(出社派)それぞれの主な意見は次のとおりです。
メリット(テレワーク派)
- 通勤時間がいかに無駄かよく分かった
- 身だしなみに気を遣わなくていいのが楽
- 面倒なコミュニケーションを取らなくてよく、自分の裁量で仕事ができる
- テレワークの導入で新しい仕事の価値観をみつけた
デメリット(出社派)
- 家にいると気が散って集中できない
- 身だしなみを整えないと逆に生活のメリハリがつかない
- ネットサーフィンしてしまい、やっぱり人の目がないとダメ
テレワーク派が無駄と感じる通勤時間も、出社派にとっては逆に有意義に感じており、頭の切り替えができる、通勤時間で勉強ができるといったメリットとして捉える人もいます。
参考記事:テレワークに向いてる人、向かない人の特徴
日本はテレワーク後進国?
コロナ禍によって、日本でもテレワークが広く認知された印象がある一方、実際にテレワークを導入している企業はそう多くない実体もあります。
NIRA総合研究開発機構の調査によれば、テレワークを利用した人の割合は6月時点で17%、緊急事態宣言が出されていた4~5月でも25%にとどまっています。
この理由として、日本は業務の電子化が他国と比べて遅れているため、テレワークが十分に普及しきっていないという見方があります。また、自宅でテレワーク環境が整わないなどの理由も挙げられています。
その一方、JETROが公開した米国におけるテレワークの現状に関する資料では、米国では一部の業種を除く全ての就労者に在宅勤務が義務付けられ、テレワーク従事者の割合は60%以上に達しています。
また、米国には元来ハンコなどのアナログ文化が存在せず、テレワークが定着しつつあったことも関係しているとみられます。
今後コロナウイルスの脅威が去った後、日本人の働き方はどうなっていくのか、大きな検討課題といえるでしょう。
参照:NIRA総合研究開発機構