コロナ禍で伸び悩んだ「カーシェア」が回復した理由

コロナ禍第一波でカーシェアは急減

カーシェアとは、文字通り一台のクルマを複数の人でシェアする概念で、従来のレンタカーと比べると短い時間で、また安い料金で手軽に使えるメリットから人気を集めていました。

これが2020年3月から4月にかけてのコロナ第一波で急ブレーキがかかり、業界最大手のタイムズカーシェアでも2020年2-4月の決算で初の営業赤字を発表しました。

新型コロナウイルスの影響で、知らない他人とクルマを共有するリスクなどが影響したとみられ、外出制限でそもそも人が移動しなくなったなどことがその大きな理由でした。

コロナ第二波以降はカーシェア急増へ

ところが、その後の様子を見ると、この減少は一時的なものだったことが明らかになりました。

政府の緊急事態宣言が解除され、またGOTOトラベル事業が開始された影響などもあり、人の移動が自由になり、さらにテレワーク以外の人の通勤移動が徐々に戻りはじめると、今度は公共交通機関の利用を避けたい人たちの間でカーシェアが急増の傾向をみせています。

カーシェアの利便性

言うまでもなくクルマはプライベートな空間を確保できるため、電車やバスなどと比べて感染のリスクが少ないです。

またこれは特に最近注目される状況ですが、新型コロナウイルスの感染は飛沫によるものが多く、一時期懸念された接触感染は比較的少ないという実証データも出てきています。

こうした追い風を受けて、カーシェア事業者は5月以降はまた順調に会員数、利用とも伸ばしています。特に4月以降に新しく会員になった人の動機は、公共交通機関を使いたくないからというものが全体の2割にも上っています。

カーシェアの現状とニーズ

若者の自動車離れと言われて久しいですが、若者に限らず都心部ではクルマを持たない人が多くなっています。2017年のデータによれば、軽自動車を含めたクルマの保有率は東京都で一人当たり0.23台と、4人に一人弱という状況です。

都会では土地や物価が高いため、駐車場などの維持費が高くつくこと、また公共交通機関が充実していてクルマの必要性がないことなども大きな理由です。

一方、クルマの利用価値としては、荷物が多い場合にドアtoドアで移動できる便利さや、公共交通機関が動いていない時間帯の移動などに便利な手段として挙げられます。こうしたニーズを背景に、カーシェアのニーズが拡大しています。

まとめ

ウィズコロナ・アフターコロナの時代を迎え、人の移動のあり方のひとつの形として、カーシェアの需要はは今後さらに伸びていくものとみられます。

参照:まいどなニュース