福島移住で200万円支給、起業なら最大400万円

福島原発周辺への移住者に200万円の支援金

政府はこのたび、来年(2021年)度に東京電力福島第一原発の周辺12市町村へ移住する人に対し、最大200万円にのぼる大型の支援金を出す方針を固めました。

来年3月で東日本大震災に伴う福島原発事故から10年が経過する節目の年となりますが、今回移住の対象となる12市町村における避難指示が解除された区域の人口は、住民基本台帳登録数の2割にとどまっています。

政府は、こうした状況に鑑み、避難者の現地への帰還だけでなく、他地域からの新たな移住を促して、福島原発周辺地域の復興再生を推進したい考えです。

対象となる市町村

対象となる12の市町村は下表のとおりです。

支援の概要

今回支給される支援金の概要は次のとおりです。

支給対象者

支援金の支給となる対象者は、2011年の事故発生当時に該当する12市町村に居住していなかった人となります。

支給金額

支給金額は、福島県外から家族で移住した場合は200万円(同県内から移住の場合は120万円)、単身の場合は120万円(同80万円)で、来年夏以降の支給開始を見込んでいます。

支給の条件

支給の条件としては、同地域に移住して今後最低5年以上居住すること、また就業することなどが条件ですが、県外企業に勤務していてリモートワークをしながら当該1市町村で暮らす場合でも支援金を受給可能です。

さらに、移住後5年以内に起業する場合は、必要経費の4分の3(最大400万円)を支給することとしていますので、起業を志す人には注目すべき制度です。

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財源

この施策の財源は政府・復興庁が福島県や当該12市町村に交付している福島再生加速化交付金などを中心に充当する計画です。

今年6月に成立した改正福島復興再生特別措置法によって、福島県への移住促進策が交付金の対象となり、自民・公明両党が今年9月に政府に対して支援金創設を提言していました。

今回施策の背景

未曾有の大事故となった福島原発事故後、上記12市町村には避難指示が出されるなどして、住民が各地域に避難しました。

その後、これまでに避難指示は順次解除されていますが、住民の本格的な帰還は進んでいません。今年の4月時点における解除区域の人口は約1万8千人で、そのうち65歳以上の高齢者が全体の4割を占めている状況です。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革、またニューノーマルと言われる時代を迎え、テレワークの推進などによって地方への移住はますます進むとみられます。

こうした状況下、特に福島原発で甚大な被害を蒙ったこうした地域の支援策を活用し、同地域への移住を視野に入れて行動することは大きな意義があります。

参照:読売新聞