テレワークで求められる「従業員ファースト」の試み

新型コロナウイルスの猛威は年明けから更に増大しており、現在緊急事態宣言は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に加え、大阪、京都の2府と栃木、岐阜、愛知、兵庫の4県も対象にされています。

こうした状況下、テレワーク・リモートワークやハイブリッドワークが急速に拡大し、日本人の働き方は大きく変化しつつあります。

ネット副業も拡大へ

テレワークやリモートワークを強く求められる状況となり、自宅にいる時間が増えることで、本業だけに依存する生活に不安を持つ人が増えている状況下で、ネットを使った副業が増えています。

そして副業で稼げるようになれば、これまでの仕事を辞めて本業にする人も出てくることが想定されます。

会社の業務にも大きな変化が

会社でもこれまでの常識が通用しなくなり、大きな変化が生まれ始めています。

ある企業の若手社員は、テレワーク・リモートワークが普及するとともに、会議中でも上司の目や周りの雰囲気を気にしなくなりました。

また、従来職場では上司や仲間との人間関係が仕事をするモチベーションになっていましたが、テレワークが普及してからは、周囲の環境ではなく、仕事そのもので判断することが増えたと語っています。

会社が抱える課題

会社側でも、テレワークの拡大に伴い、社員間での就労実績格差が拡大し、管理職は従来の1日8時間という労務管理、スケジュール管理や、部下の能力評価が非常に難しくなっています。

また、社内OJTにも支障をきたし、社員間の学習格差も拡大しています。

会社にいれば周囲の状況をにらみながら業務の進捗や学習状況などを確認できるものが、オンラインではそうした物差しがなく、自己管理が難しくなることがその大きな要因です。

メンタル面でも、テレワークによって家族と過ごす時間が増えて喜ぶ社員がいる一方、一人の時間が耐えきれない社員もおり、環境は様々です。

従業員ファーストの対応策を

こうした状況は一過性の問題ではなく、コロナ禍を契機として終身雇用制の崩壊は加速し、若手・中堅社員の離職や独立が進んでいきます。

その一方、現在はこの状況下で一時的に失業率が増加していますが、長期的にみると人口減少による労働力不足は依然解消されていません。

閉塞感漂(ただよ)う状況下ですが、会社側は今まで以上に従業員ファーストを打ち出せるかどうかが重要となります。

テレワークを通して自由な業務体系を経験した従業員に対して、企業が様々な規制で縛ることは、逆にエンゲージメントを低下させます。

様々な施策を「従業員のため」として展開している企業は、採用力やロイヤルティーの向上につながっていきます。

また、従業員の健康に配慮した経営も求められており、その結果としてSDGs(持続可能な開発目標)が加速され、結果として経営者のマインドも変わっていくことが期待されます。

参照:ITmedia