コロナ禍で注目の「ハイグレード賃貸」、家賃相場と特徴

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの普及や、働き方改革によるニューノーマルの暮らしが注目されています。

こうした状況下で、新しい暮らし方にフィットした住宅を求める動きが拡大しています。

ニューノーマルに適した住環境

テレワークやニューノーマルの暮らしの拡大により、増加する宅配物やデリバリーを受け取りやすい環境が求められています。

新築分譲マンションでは対応が進んでおり、テレワークスペースをつくりやすい間取りや、コワーキングスペースを備えた共用スペース、また全戸宅配ボックス付きの機能が拡大しています。

賃貸住宅でもニューノーマルへの対応が進んでおり、居住者全員で利用できるコワーキングスペースや、各住戸で高速インターネット回線が利用できる工夫が進んでいます。

高仕様で家賃が2割程度高い「ハイグレード賃貸」

人々の生活環境の変化に伴い、ここ最近増えているのが、「一般的な賃貸住宅よりも広く、設備仕様のレベルを上げ、その分家賃は高め」というコンセプトの物件です。

主に都心部を中心に展開されるこうした物件は、従来型の標準的な賃貸物件と比較すると2割程度高い状況です。こうした賃貸マンションを「ハイグレード賃貸」と定義します。

家賃が高い反面、テレワーク実践者に対する企業の補助(月額1万5000円程度と想定)を考慮すれば、納得感もでてきます。

事例として、丸ノ内線中野坂上駅に立地するハイグレード賃貸では、案内を開始して2週間ほどで2桁の申込みが入りました。

ハイグレード賃貸の特徴

「ハイグレード賃貸」と呼ばれる賃貸マンションには、主に次のような特徴があります。

不動産会社が合理的な賃借方式を採用

合理的な賃借方式とは、例えば従来の慣例である「礼金」を取らないことを指します。

礼金という慣習は日本独自のもので、外国人にはとうてい理解されません。
合理的な説明ができないものは受け取れないという、利用者の声に対応する不動産会社が増えています。

同様に、保証金の意味合いを持つ「敷金」も、合理的な範囲の金額に設定されています。

建物と設備仕様のレベルが高い

建物と設備仕様のレベルが高い物件は、鉄筋コンクリート造りで壁や床が分厚く、遮音性能と断熱性能が高いことを指しています。

また、入口にはしっかりしたオートロックが設置され、宅配ロッカーが多かったり、コワーキングスペースがあります。

各住戸に配置されるインターネット回線も高速で、こうした様々な設備の利用料が賃料に含まれることがハイグレード賃貸の特徴となります。

便利な23区内の立地が中心

ハイグレード賃貸の建設地は、山手線外側の23区内を中心に、静かで日当たり良好な場所が多く、便利で住環境にも恵まれています。

ニューノーマルの暮らしが脚光を浴びている現在、テレワークが増えたシングルを中心に、ハイグレード賃貸に関心を寄せる人が確実に増加しています。

参照:住宅評論家・櫻井幸雄氏コラム