新型コロナウイルスの感染拡大や、働き方改革やワークスタイルの変革に伴う副業解禁などにより、副業が注目されています。
こうした状況下、「地方」と「オンライン」を組み合わせた働き方が注目されています。
首都圏から地方へといった、距離のハードルを飛び越える(=Beyond)、いわゆる「ビヨンド副業」という概念の新たなワークスタイルです。
新しい副業の時代
2021年は副業が本格化する年だと言われています。
副業のあり方も多様化し、本業=主となる仕事、副業=サブとなる仕事、という切り分けでは定義しきれない、新たなスタイルの副業が増えてきました。
これまで本業で培った知識や技術を他方面で活用したり、好きな趣味を活かして新しい活動にチャレンジしたりと、それぞれのライフスタイルや、得意分野で副業を選べる時代となっています。
現在、最も注目を集めているのが上述した「ビヨンド副業」であり、首都圏と地方の間の物理的な距離を越えて、副業をする新しいワークスタイルです。
例えば、週に数回はオンラインで仕事をして、月に1回程度は現地に赴いて働くといった仕事のスタイルが挙げられます。
ビヨンド副業ニーズの背景と現状
ビヨンド副業が最近特に注目を集めている背景として挙げられるのが、若手の社会人を中心とする、テレワーク・リモートワークや地方移住に対する意欲の向上です。
テレワークの普及で、極端にいえば世界中どこにいても、不自由なく仕事ができるようになりました。通勤という概念もなくなり、仕事の拠点も居住地も選択肢が広がりるため、地方移住を考える人が増えています。
また、多くの地方企業では、首都圏で働いてきた人の実績を評価し、その知恵や知識・ノウハウを利用したいと考えています。
事実、ビヨンド副業に関するマッチングサービスを提供する企業も多く出てきています。ビヨンド副業におけるマッチングサービスの場合、従来型のクラウドソーシングと異なり、企業と働き手の直接契約が基本となっています。
ビヨンド副業のメリット
ビヨンド副業が働く人にとってどのようなメリットがあるのか、以下に解説します。
報酬額の高さ
地方企業は、就業候補者に対して、経験や知識が豊富な「即戦力」としての期待を持っています。
スキルと結果を求められるため、それに見合った高額報酬が期待できます。
自分のスキルを還元
これまで本業で培ったスキルを地域社会へ還元できることは、仕事のやりがいや、モチベーションのアップにもつながります。
さらに、ビヨンド副業によって新しい人脈やスキルを獲得したり、地方企業での経験を逆に本業に役立てることもできるため、好循環が期待できます。
副業の選択肢拡大
ビヨンド副業は、オンラインによるテレワーク・リモートワークが基本のため、場所に関係なく仕事を選択することが可能となります。
地方企業の核として働く
地方企業が求める人材は、将来自社の事業やプロジェクトの中核となる人材です。
働き手を求める地方企業の多くは、地場産業の中小企業で、企業規模も大きくないため、副業ワーカーに委ねる仕事の裁量も大きく、企業の核として働く経験が得られます。
地方移住のイメージを持てる
ビヨンド副業の形態は、オンラインで日々の仕事をこなしつつ、時おり地方へ赴くという「2拠点生活」が基本です。
このため、すぐに地方移住が難しくても、将来の移住を視野に入れる人にとっては、地方暮らしのイメージも得られ、良いシミュレーションとなります。
経験豊富な中堅・ベテラン人材への高いニーズ
ビヨンド副業で求められる人材について探ると、以下のような仕事内容が多い傾向があります。
- 経営企画
- 新規事業創出サポート
- 新商品開発・マーケティング
- デジタルマーケティングに関するWEB戦略・SNSプロモーション
- ECサイトでの販売ツール構築・マーケティング
- WEBサイトのコンサルティング
上記以外にも、ニッチな専門技術を活かした職種、また資金調達や経理・財務など、求人情報は広範囲にわたっています。
地方企業が求める人物像と企業のメリット
ビヨンド副業の求人においては、それなりの経験とスキル、また就業後の結果が求められます。このため、ビヨンド副業のメイン層となる年代は、これまで本業である程度の経験を積んだ中堅からベテランまで、概ね30代~40代が中心です。
こうした年代層を地方企業が雇用できるのは、企業側にとって大きなメリットです。また、ビヨンド副業の仕組みを利用すれば、企業側は一般的な転職の場合と異なり、優秀な人材を格安の経費で確保できます。
さらに、プロジェクト単位で、必要な人材を都度確保することができるため、ピンポイントで経費を抑えることが可能となります。
都内や首都圏でで働いてきた優秀な人材のナレッジやスキルを十分吸収できることも、地方の中小企業にとっては大きな魅力です。
まとめ
今後ますます、多くの企業が副業を奨励し、テレワーク・リモートワークを推進することが予想されます。
自分の働き方を見直し、培ったスキルを更に活用して収入をアップさせ、人脈を広げたいという希望を持つ人は、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参照:EL BORDE