テレワークで変わる働き方、企業が考えるべき3つのポイントとは

これまでのテレワークは、育児や介護が必要な方の働き方のひとつとして導入がされていました。しかし今回の新型コロナウィルスの影響によって、働き方の考慮ではなく、物理的な問題でテレワークシフトが起こりました。
働き方が一気に変わったことで経営者が考えるべきことは何なのか。
これについて考えていきたいと思います。

テレワークで考えるべき3つのポイント

これまでのテレワークは、育児や介護が必要な方が労働場所や時間、対価に関するルールを会社と決め、契約をして働いていました。
一方それ以外の、いわゆる正社員というのは、会社に出社することを前提に、労働時間は8時間(残業は別途)、働く時間を対価に仕事するというのが一般的な考え方でした。
ゆえに、出社が前提の働き方(beforeコロナ)で考えると、下記のような整理ができます。

beforeコロナ
出社が前提の働き方
労働場所
労働時間
労働対価

これがテレワークシフトによってどう変わるのか。
労働場所、労働時間、労働対価の3つのポイントで考えていきたいと思います。

そもそもテレワークとは

共通の用語としてよく用いられるのは、
「テレワーク」「リモートワーク」「在宅勤務」この3つです。
ちなみに「テレワーク」「リモートワーク」は、ほぼ同義であり、離れた場所、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方といった意味があります。
ちなみにテレワークは、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス」という3つの働き方に分類されます。

テレワークの種類
テレワーク3つの分類
在宅勤務
モバイルワーク
サテライトオフィス

<テレワークの3つの分類>
在宅勤務→自宅で仕事を行うこと
モバイルワーク→顧客先への駐在等、オフィス外で仕事を行うこと
サテライトオフィス→勤務先以外のオフィススペースで仕事を行うこと

ゆえに出社が前提ではない働き方(withコロナ)として「テレワーク」「リモートワーク」「在宅勤務」を考えると以下のように整理できます。

withコロナ
出社が前提の働き方
労働場所
労働時間
労働対価
テレワーク(在宅勤務)
リモートワーク
テレワーク

テレワークシフトは労働場所のみの変化

労働場所、労働時間、労働対価の3つのポイントのうち、今回のテレワークシフトによって変わったこと、それは「労働場所」です。

会社から会社以外へと労働場所が変わったことで、それぞれの働き方が変わりました。出社が不要なため通勤がなくなり、自宅に居ながらZOOMに代表されるようなWEB会議ツールを活用してメンバーや外部の方と仕事が可能になる等、これまで出社が前提だった働き方が大きく変わりました。

しかし、ここには落とし穴があります。
労働場所が変化しても、労働時間と労働対価については変化していません。考えるべきポイント3のうち2つが残ったままです。
何故この2つを考えておかないといけないかについて考えてみましょう。

働き方は多様化されていない

これまでの情報を整理すると、
新型コロナの影響で活動自粛が起き、一時的なテレワークシフトが一斉に起きた→労働場所が会社から会社以外に変わった←いまココ

本当の意味での働き方の多様性とは、各個人が自律性をもって、働く場所や時間に囚われず仕事をし、適切な評価をもとに対価が支払われることで実現できるのではないでしょうか。

そういう意味で、まだ働き方の多様化は始まったばかりです。
今後経営者が考えるべきは、労働場所が変わった今、社員に対してどのように働いてもらい、どのような対価を払うのか、最終的には、どんな会社にしていくのかという経営指針まで踏み込む必要があります。

なぜなら、会社にある就業規則や給与規定というのは、労働場所、労働時間、労働対価の3つのポイントが組み合わさってできているからです。

ルール規定
就業規則
給与規定
労働場所
労働時間 フレックス
労働対価


この3つのポイントの整合性が取れていないと、社員から労働時間や給与・手当に関する不平不満が出てくることになります。
会社としては働き方の多様性を認めたのに、社員から不平不満が上がるという状態では本末転倒になるので、社内できっちり協議して3つの整合性をとっていく必要があります。

まとめ

今回はテレワークの働き方を考えるうえで重要な労働場所・労働時間・労働対価の3つのポイントについて取り上げ、働き方の多様化にはこの3つのポイントの整合性をとる必要があるということをお伝えしてきました。
これから企業に求められるのは、いかにコロナ前の働き方に戻すかではなく、新しい働き方や多様性を受け入れ柔軟に対応する姿勢ではないでしょうか。